研究概要 |
1.老人患者と援助学生とのコミュニケーション阻害の実情調査 臨床実習(老人看護・理学療法)中に学生が老人援助で困った事例を調査した.リハビリテーションを意欲的に受けない事例やその日の体調で著しく変化するケースなど,援助上配慮することが必要な情報が収集できた. 2.ロールプレイングの実施.上演状況の録画記録とその分析 学生のロールプレイング上演状況を録画記録した.これを学生に再視聴させ理解を深めさせることができた.また,上演中の発言や役割行動を時系列に従って個別回答分析法を適用して客観的に分析した.共感的受容的応答と非難や拒否など望ましくない応答の特色が確認できた. 3.改善された教授法による授業設計とその効果判定. ロールプレイングの取り入れ方について,これまでの実験授業で得た知見をもとに改善し最適なプログラムを設計した.実施時期については,講義前は問題意識を喚起させるために,講義後は学習を総括発展させるために取り入れるようにプランを改めた.また,自発性を促進するために学生の自主性を重んじた授業も計画した. これらの改善プログラムを実際に試行し,その効果を検証できた. 4.望ましい教授方法についての教材ビデオの試作と研究成果の普及活動 研究成果として明かになった患者教育の望ましい方法を視覚的に表す教材ビデオを編集した.試作したものを学生に視聴させたところ,実際の上演に近い効果が確認できた.これらを関係諸学会で発表するとともに,各地の研究協力者に送りその成果の普及をはかる計画を進めている.
|