研究概要 |
(1)有限要素法を用いた共振器解析結果に基づいて,プラズマガスの流れを考慮し,かつプラズマ生成部の電界強度を強化できるダブルボア放電管型マイクロ波誘導プラズマを製作し,極微量元素の発光分光分析を行った.(2)ド-ナツ形状のヘリウム誘導結合プラズマ(ICP)を生成するためには旋回気流の強化が必要である事を初めて示し,旋回気流強化型ト-チを用いて溶液試料の導入時にも安定なプラズマを生成できるヘリウムICPを製作した.(3)ヘリウムICPのプラズマ温度および電子密度の空間分解測定を行い,アルゴンICPとは異なった特性を持つことを明かにした.(4)旋回気流強化型ヘリウムICPを用いて質量分析装置を製作し,バックグラウンドスペクトルやマッハディスクの位置などの基本特性の測定を行った.(5)ヘリウムICP質量分析装置を用いて,励起エネルギーが高いために従来のアルゴンICP-MSでは高感度分析が困難であった希ガスの分析を行い,高い検出感度が得られることを示した.(6)気流によるプラズマの安定化を考慮した,石英製放電管によるガス絶縁プラズマ装置を製作し,大気圧下でトーラス形状の大型プラズマを初めて生成することに成功した.(7)光ファイバアレイとCCDカメラを用いて,1台の分光器で波長分解と空間分解測定を同時に行うことのできるプラズマ分光測定システムを構成し,大気圧無電極トーラス形状プラズマの測定を行った.(8)トーラスプラズマを用いてベンゼンの分解実験を行い,大気圧プラズマが廃棄物処理に有望であることを示した.(9)大型の大気圧プラズマの生成方法の確立を目的に金属放電管製作し,石英放電管と同様な大気圧トーラスプラズマの生成に成功した.
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