研究課題/領域番号 |
04558011
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
板倉 智敏 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30021695)
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研究分担者 |
林 政信 (林 正信) 酪農学園大学, 獣医学科, 教授 (10130337)
北村 忠久 塩野義製薬(株), 研究所, 部長
水谷 誠 日本生物科学研究所, 実験動物研究所, 主任研究員 (40072467)
落合 謙爾 北海道大学, 獣医学部, 講師 (80214162)
小原 收 塩野義製薬(株), 研究所, 研究員
御領 政信 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (80153774)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
18,900千円 (直接経費: 18,900千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1993年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1992年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | ウズラ / ニューロフィラメント / 細胞骨格 / 神経線維 / 軸索症 / 神経病理 / モデル動物 / アクリルアミド / 神経疾患 / 軸索 / ニューロフィラメント欠損 / ミュータントウズラ / ニューロフィラメントサブユニット / 振戦 |
研究概要 |
我々は振戦を示す1羽の日本ウズラを出発点とし、常染色体性単一劣性遺伝により支配されたミュータント系を確立した。この系統はホモ接合体のクローズドコロニーとして維持され、全てのウズラが振戦を示す。 本研究では、このウズラの形態学的特徴を明らかにすると共に、モデル動物としての有用性を検討した。 本ウズラの基本的な病変は、中枢ならびに末梢の神経軸索内に、ニューロフィラメント(NF)が先天的に欠損していることである。このため各神経線維の太さが発達しない。NFの欠損を蛋白レベルで解析すると、本ウズラにはNF-H(170KD)、NF-M(160KD)、NF-L(70KD)の3種類の蛋白サブユニットが検出できなかった。また、免疫蛍光法による脊髄の組織切片では、NF-Lに相当する反応産物はいずこにも検出できなかったが、抗NF-Hと抗NF-M血清に対しては白質の軸索の一部と神経細胞体が陽性所見を示した。以上のように、本ウズラはNFサブユニットのうちNF-Lが欠損しており、このためにNF-HとNF-Mは合成されても、NFは形成されないものと思考された。 本ウズラの神経細胞の分子生物学的解析から、アミノサン残余蛋白質114にナンセンス変異を含むことが明らかになり、これがNF-Lを産生し得ない要因と解された。 NFの蓄積をもたらす薬物を本ウズラに投与した。この一つの薬物であるIDPN投与では、対照の正常ウズラの脊髄運動神経軸索にNFの蓄積を認めたが、NF欠損ウズラは無変化であった。また、アクリルアミド投与では、正常ウズラはNF蓄積を伴った軸索症を示したが、NF欠損ウズラは膜性小器官の蓄積を伴った軸索変性を示した。以上から、NF欠損ウズラはNFと薬物の作用機序の関連性追求に有用である。
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