研究課題/領域番号 |
04559005
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小久保 正 京都大学, 工学部, 教授 (30027049)
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研究分担者 |
海老澤 幸弘 住友金属工業(株), 事業開発本部, 参事補
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
山田 公 京都大学, 工学部, 教授 (00026048)
宮路 史明 京都大学, 工学部, 助手 (80219782)
八尾 健 京都大学, 工学部, 助教授 (50115953)
海老沢 幸弘 住友金属工業(株), 開発部, 参事補
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 放射線療法 / イオン注入 / リン / シリカガラス / 癌 / 化学的耐久性 / ラザフォード後方散乱法 / フーリエ変換赤外スペクトル / 放射線治療 / 高周波誘導結合プラズマ発光分析 / フーリエ変換赤外反射分光 |
研究概要 |
高純度シリカガラスの板状試料の両面に、リンイオンを30keVの注入エネルギーで5x10^<16>cm^<-2>だけ注入した試料は、ほとんどすべてのリンイオンを温水中に溶出したが、リンイオンを注入したガラスをいったん水素ガス雰囲気中でリンの昇華点(416℃)以下の400℃で加熱処理し、次いで酸素ガス雰囲気中で900℃で加熱処理すると、上記の温湯処理によってもリンイオンがほとんど水中に溶出しないガラスが得られた。これは400℃の加熱処理によりリンコロイドが成長し、900℃の加熱処理により、このリンコロイドがSiO_2-P_2O_5層カプセル中に閉じ込められたためと考えられる。ただし、加熱処理によりいくらかのリンが蒸発逃散した。そこでシリカガラスにリンイオンと共に窒素イオンを注入し、上記と同様の2段階加熱処理を行うと、窒素イオンの注入により、ガラス表面にシリコンオキシナイトライド層が形成されてこれがリンの逃散を抑えるため、加熱処理後も多量のリンを含み、しかもこれを温湯中に溶出し難いガラスが得られた。同じシリカガラスにリンイオンを50keVのエネルギーで5x10^<16>cm^<-2>注入すると、リンイオンはガラス表面から深さ50nmの所で最大濃度を示し、ガラス表面までは分布しないので、表面構造に損傷があるにもかかわらず、リンをほとんど溶出しないガラスが得られた。リンイオンを200keVで注入すると、リンイオンはガラス表面から深さ200nmの所で最大濃度を示し、ガラス表面までは分布しないので、1x10^<18>cm^<-2>の大量のリンを注入しても、リンをほとんど溶出しないガラスが得られた。この方法により得られるガラスは深部癌の直接放射治療に有用であると考えられる。
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