研究分担者 |
谷川 隆夫 東海大学, 開発工学部, 助教授 (70207174)
南理 憲三 (南里 憲三) 東海大学, 理学部, 教授 (20056211)
砂子 克彦 東海大学, 理学部, 教授 (50056016)
矢部 栄二 東海大学, 開発技術研究所, 教授 (70056018)
高山 一男 東海大学, 開発技術研究所, 非常勤教授 (20023690)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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研究概要 |
われわれが考案し,名付けたシート・プラズマとは,各イオンの回転中心が板状プラズマのほぼ中心面上にあって,厚さがイオンのラ-マ直径程度の磁化プラズマのことを指す。 研究の目的は,シート・プラズマに高周波電場であるイオン・サイクロトロン共鳴(ICR)電場をかけてプラズマ中のイオンを励起させ,同位体を分離する方法を確立することである。 従来の同位体分離法は,ウランのガス拡散,遠心分離及びノズル法のように,質量の僅かな差を利用しているため,分離係数は極めて小さい欠点があった。これに反し本方法では,同位体をレザー法と同じように選択的に分離できるので,分離係数を大きくできる点優れている。以下に得られた結果を簡単に述べる。 1)アルゴン,ネオン,窒素等の気体については,それぞれのプラズマで磁場の強さに対するイオン電流の周波数特性を調べた結果,明瞭な共鳴特性が得られた。共鳴周波数は磁場の強さに比例し,イオンの質量に反比例しているところから,高周波電場の印加方法及び共鳴イオンの測定方法が適切であったことを確認した。 2)水素の同位体元素である重水素を混合したシート状プラズマにおいて,はじめて共鳴特性が得られた。理論式と実験結果の比較から水素,重水素イオンの確認及びこれらの分子の結合と考えられる分子イオンが検出されている。これにより,はじめて水素イオンと重水素イオンの同位体分離に成功した。 3)同位体分離をより安定にかつ定常的に行うための運転上の制御因子として分光法によりイオン温度の測定した結果数eV以下であった。 4)引き続きリチウムの同位体分離に取り組んでおり,近いうちに結果が得られるものと期待している。
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