研究課題/領域番号 |
04610011
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
印度哲学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
早島 理 長崎大学, 教育学部, 教授 (60108272)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 瑜伽行唯識学派 / 顕揚聖教論 / 瑜伽師地論 / 聖典(アーガマ) / 教証と理証 / 得(propt) / 空性の証得 |
研究概要 |
(1)研究課題「インド大乗仏教瑜伽行学派における聖典観の研究」を達成するための基礎作業として、基本テキストである『顕揚聖教論』をデータベースとして入力完成した。これはこれまで章毎に粗入力したいたものを、『顕揚聖教論』全般にわたるデータベースとして完成したものであり、これにより同論書の検索等に基づく研究を充実させている。さらにこのデータベースを必要とする研究者に配布している。 同じく基礎作業である『瑜伽論』の入力は、玄奘訳の漢訳100巻についても入力作業を進めている。作業の手順として先ず後半50巻の入力を終了させ、引き続き前半を入力し、データベースとして完成するはこびである。 (2)これらの基礎事業に依拠した『顕揚聖教論』の研究は、第一章「攝事品」と第六章「成空品」に重点をおき、『瑜伽論』との比較のものになされている。先ず、「成空品」については全23偈のうち経証に該当る第1・2偈の研究発表に続き(印佛研、39-1)、『瑜伽論』に依拠した第3〜17偈の研究を終え(長大・教育学部社会科学論叢Nos.42,3)、現在は同章最終三偈の研究を続行中で本年6月刊行の学部紀要に掲載予定である。 (3)「攝事品」については「瑜伽行学派における得prapti」(同上NO.44)を発表、引き続き同章における雑阿含を中心とした経証の同定作業に重点をおいて研究を進めている。『顕揚聖教論』についての従来の研究が、ややもすれば『瑜伽論』との同定作業に力点がおかれていたの対し、アーガマ自体の研究を進めることにより、この論書の「聖典観」を明白にし、瑜伽行学派の依拠した聖典を明確にしつつある。 (4)今後の研究課題として、(] SY.encircled1. [)玄奘訳『瑜伽論』のデータベース化の完成、(] SY.encircled2. [)『菩薩地』を中心とした、梵・蔵・漢の対照テキストの作製とデータ入力(一部着手)、これらの基礎資料に基づく、瑜伽行学派の聖典観研究の発展を掲ておきたい。
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