研究課題/領域番号 |
04610041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
伊藤 英夫 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (90134775)
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研究分担者 |
小島 哲也 信州大学, 教育学部, 助教授 (80153534)
清水 直治 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80134774)
野村 東助 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20014756)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 図形シンボル / 発達障害幼児 / 会話エイド |
研究概要 |
1.図形シンボルシステムの早期適用 図形シンボルを用いたコミュニケーション指導は、東京学芸大学特殊教育研究施設に通う子どもで、言語理解はあるが、表出言語のない自閉症、言語発達遅滞等の3歳〜5歳の幼児を対象に行った。 (1)発達障害幼児への早期適用 3歳児は、まだ応答の指さしが定着せず、応答性、学習の構えも悪く、図形シンボルの適用は難しかったが、4歳児は要求行動・表現に関する動機づけが高まるとともに、指さしの発達、応答性、学習へのレディネスの発達がみられ、図形シンボルの適用が可能であった。 (2)コミュニケーション指導 言語発達遅滞幼児(1名)に対して、図形シンボルを用いたコミュニケーション指導を行い、114語(名詞75語、動詞27語、形容形12)の言彙を習得し、最高5語連鎖まで可能となった。自発的な要求表現が増加するとともに音声言語も出現し、現在では35語の有意味語を状況に応じて適切に使用することが可能となり、図形シンボルによる言語指導が、音声言語表出を促進することが示唆された。自閉症幼児(3名)のうち、1名は絵カードによる選択課題を実施中で、コミュニケーションボードへの移行を開始している。もう1名は、応答の指さしの定着化を目標に、指さしの語用論的アプローチを行っており、最後の1名は現在アセスメント中である。 2.教育現場への適用 統合保育を受けている言語発達遅滞児の場合、行動範囲も広く、家庭や大学で使用しているボードは、携帯性がネックとなってうまく使用できなかった。そこで幼稚園生活で必要な語彙に限って、携帯用のボードを試作した。しかし、首から下げたり、腰にぶら下げたり、ポケットに入れたりしてみたが、どれも不自然で対象児が身につけるのを嫌がる、まどろこしくてボードを使用しないなどの理由で、継続的な使用が不可能であった。図形シンボルと自然音声を用いた電子機器のうち、本研究ではa-VOCALとおしゃべりくんハイの検討を行った。a-VOCALは幼児の使用や教育現場の使用には、重量や大きさの点で、まだ無理なところがあった。おしゃべりくんハイは、小型軽量、比較的安価で、教育現場での使用の可能性が示唆された。今後は幼児通園施設での適用可能性について検討する予定である。
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