研究課題/領域番号 |
04610042
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
本田 仁視 新潟大学, 人文学部, 教授 (50124623)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 眼球運動 / サッケード / 空間定位 / 空間知覚 / 眼球位置信号 / 視空間の安定性 |
研究概要 |
眼球運動(サッケード)が生じると、視覚(網膜)情報は連続的に変化するが、この情報は何らかの形で時空間的に統合され、安定した視覚世界をもたらす。従来、この時空間的統合のメカニズムに関しては、網膜信号と眼球位置信号との相殺によるとする説明が有力であった。この問題をめぐる実験的研究の1つに、眼球位置信号の正確さに関する研究がある。それによれば、眼球位置信号は相殺説で想定されているほど正確ではないことが示されている。その根拠となったのは、サッケード時における空間定位の誤りの存在であったが、これに対して、このような実験で示された空間定位の誤りは、眼球運動自体は無関係でむしろ眼球運動にともなう背景視野の急激な動きが重要であるとする研究がある。本研究では、サッケード時に瞬間提示された視標の位置を判断させる条件(眼球運動条件)と、背景が急速に動かされた時に瞬間提示された視標の位置を判断させる条件(背景運動条件)での定位成績を比較検討した。その結果、両条件での定位成績は明らかに異なり、それゆえ、両条件での定位の誤りがもたらされるメカニズムは異なることが示唆された。さらに、このような定位の誤りは、視覚系のどのレベルで生じるのかについて、背景と視標を別々の眼に提示する方法(両眼分離視)で検討した。その結果、眼球運動条件と背景運動条件のいずれの場合も、その定位の誤りは、網膜レベルではなくて、より中枢レベルでの処理過程を反映していることが示された。
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