研究課題/領域番号 |
04610055
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40030043)
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研究分担者 |
待田 昌二 大阪大学, 人間科学部, 教務職員 (00222290)
今川 真治 大阪大学, 人間科学部, 助手 (00211756)
金澤 忠博 大阪大学, 人間科学部, 助手 (30214430)
中道 正之 大阪大学, 人間科学部, 助手 (60183886)
糸魚川 直祐 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90027962)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ニホンザル / カニクイザル / 行動発達 / 母子関係 / 母子分離 / 身体接触 / 抱き行動 / 体温維持 |
研究概要 |
1週齢の頃の子ザルは母ザルにかなりしっかりとしがみつくことが出来るようになり、母ザルも、例えばジャンプをするようなときであっても、子ザルに手を添えることが少なくなる。この頃の子ザル前肢のみならず後肢をも用いた這う行動が発達し、さらに母ザルの近くではあるが短時間で短距離を母ザルのそばから離れるようにもなる。しかし、この頃の母ザルは未だに外界への警戒をおこたることなく、また子ザルの動きに敏感に反応し、離れないように子ザルを引き留めたり離れたらすぐに連れ戻す行動を示すために子ザルの活動や移動はかなりの制限を受けることとなる。母ザルによる子ザルを抱く行動は、その発現水準は低いが全体の変化の傾向は子ザルのしがみつき行動と同じく、3、4カ月齢の頃まで急速に減少し、その後はほぼ横ばいの状態が継続する。接触は子ザルの加齢にともない急減し、子ザルのしがみつき行動と母ザルの抱き行動は最初の1カ月間で大きく減少する。しかし、子ザルの乳首接触行動はそれほどの減少を示さず、また母ザルのグルーミング行動は逆に増加傾向を示し、これらの行動の複雑な増加と減少の結果として、母子の近接が必ずしも急速に増加せず、母子関係は母子のさまざまの行動が複雑に絡み合って徐々に変化する過程である。母ザルは、子ザルが1カ月齢の頃に子ザルの接近に対して子ザルを拒否する行動が、また2、3カ月齢の頃には子ザルを威嚇したり噛む行動さえも示した。母子のかかわりも変化し、相互に密接なかかわりをもちながらも、同時に相互に独立した動きも増加してくる。子ザルの接近に対して身体接触を伴う母子間の積極的なかかわりが減少するばかりではなく、母ザルは子ザルの接近に対する無反応や拒否的行動のほかに威嚇するあるいは噛むなど、子ザルと距離をとる行動も増加する。子ザルの出生後の3カ月間に母子は相互の分離、あるいは相互の独立が次第に進むこととなる。
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