研究課題/領域番号 |
04610079
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
春木 豊 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80063551)
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研究分担者 |
吉野 俊彦 早稲田大学, 文学部, 講師 (60220703)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | オペラント条件づけ / 対人行動 / 相互制御 / 強化 / スケジュール / ボタン押し |
研究概要 |
オペラント条件づけでは対人間の行動が充分に検討されていなかった。そこで本実験では次の2点を検討することを目的とした。1)オペラント条件づけが2者間の行動を説明・予測・統制する上で有効であるかどうか、2)2者間の行動を統制する要因が何か。 本実験では、操作者(得点を与える者)と反応者(ボタンを押して得点を獲得する者)のオペラント条件づけについての知識の有無によって、操作者の方略や反応者の反応パターンが異なるかどうかについて検討した。 オペラント条件づけが2者間の行動を説明する上で有効と考えられる可能性は、次の3点から示唆された。まず、反応者には得点が強化子として、操作者には反応者の反応が強化子として機能したことである。操作者も反応者も各々を強化子として得点を与える行動、ボタンを押す行動を相互に維持し合ったのである。次に、両者が得点を与える/獲得する手がかりとして反応数または時間を用いたことである。これはスケジュールによって記述可能な結果である。さらに、オペラントの知識の有無によって明確な方略や反応パターンの差異はなかった。 一方で以下の2点が問題として残った。まず、外的妥当性の問題である。今回の実験状況は典型的なオペラント場面であった。他の状況でも同様な相互作用を形成し得るかについては不定である。次に、反応者の反応は反応者の認識に依存していた可能性がある。例えば、操作者が連続強化で得点を呈示していた状況を、ある反応者はF1であると認識し、約1分ごとに1度反応するパターンを維持し続けた。これは、その場面で機能している随伴性でなく、反応者の認識に依存して反応が維持されたことを示す。この認識の問題をオペラント条件づけは問わない。 以上のように本年度の結果からは明確な結論が得られなかった。まず、多様な実験状況を設定するなどの、外的妥当性の検討が必要である。
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