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被差別者のアイデンティティ問題

研究課題

研究課題/領域番号 04610128
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究機関埼玉大学

研究代表者

福岡 安則  埼玉大学, 教養学部, 教授 (80149244)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
キーワード差別問題 / 在日韓国・朝鮮人 / 被差別部落 / 生活史 / アイデンティティ
研究概要

「被差別者のアイデンティティ問題」のテーマで,被差別部落の若者たち,在日韓国・朝鮮人の若者たちを主たる対象に,聞き取り調査を実施してきた。今回の調査では,とくに,「日本国籍」となった在日韓国・朝鮮人の若者のアイデンティティをめぐる問題で,新たな知見が得られた。
一般に,「帰化」や「渉外婚姻」が増えて,「日本国籍」者が増加することで,定住外国人問題は解決していくかの観念がある。だが,実際に「日本国籍」者となった当事者からの聞き取りによれば,“日本国籍になっても日本人じゃない"というアイデンティティ・レベルでの問題が厳然として残る。それは,単に,彼ら/彼女らの主観的な思い込みの問題でなく,日本人サイドの対応の仕方に問題の根はある。
たとえば,女性A(28歳,3世)は,日本人男性と結婚し,「帰化」により「日本国籍」となった。だが,彼女は現在のセルフ・アイデンティティを,“日本人になったわけじゃない。韓国系日本人になったのかな"と表現する。その背後には,「帰化」手続きでの,法務局職員の嫌がらせに近い対応への反撥等がある。女性B(25歳,父が在日韓国人2世,母が日本人)は,1984年の国籍法の改正に伴う経過措置により届出により「日本国籍」を取得した。だが,「日本国籍」取得後のほうが,“自分は日本人ではないんだ"という思いが強くなっていると語る。その背後には,日本人男性から求婚されながら,自分の出自を打ち明けたところ,即座に態度を翻された,等々の体験がある。むしろ,彼女の場合,「日本国籍」になってから,被差別の体験を何度もしているのだ。
日本社会全体が,民族的出自等,“異質な"要素をそなえた人たちを忌避し,排除していく社会意識を根本的に変革しえないかぎり,問題の解決は遠い。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福岡 安則: "日本国籍になっても日本人じゃないー日本籍在日韓国朝鮮人の聞き取りからー" 解放社会学研究. 7. 228-253 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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