研究課題/領域番号 |
04610175
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
志村 洋 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 室長 (80106153)
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研究分担者 |
大城 英名 国立特殊教育総合研究所, 主任研究官 (80185256)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 早期失明 / 触認知 / 図形知覚 / 潜在能力 / 対物意識 / リーチング行動 / 物の永続性 / 認知発達 / 早期失明見 |
研究概要 |
本研究の目的は、視覚経験をほとんどもたない早期失明児の触運動による空間や物の認知についての潜在能力を的確に評価するための指標と、その潜在能力を高めるために求められる学習教材がもつべき条件を探ることであった。研究実施に当たっては、触認知の評価について図形空間に関する手の探索行動及び物に対するリーチング行動を指標とする可能性を、また学習教材のもつべき条件については、図形空間の再体制化と対物意識の形成という点に着目して検討を行った。結論から先にいえば、早期失明児に関する触認知の潜在能力評価について以下に述べる成果が得られたが、学習教材の条件については、学習条件を体系的に整理するまでには至らなかった。研究成果を整理すると以下のようになる。早期失明児の触認知の潜在能力の評価に関しては、触運動による図形知覚に現れる「形の分節(図形空間の体制化)」に5種類のタイプが識別でき、そのタイプと具体的な物の形態認知及び手の探索行動(動作的探索と操作的探索)との間に対応関係が認められた。したがって描画や言語表現の可能な早期失明児に関しては、「形の分節」及び「手の探索行動」が触認知の潜在能力の評価指標として利用できる可能性が示された。一方、リーチング行動からのアプローチでは、リーチング行動の発現の順序性(前基準的なリーチング行動を含めて4段階)が明らかになり、この順序性が年少の早期失明児について触認知の潜在能力を評価する上で有効であることが示された。また、学習教材の条件に関しては、対象図形や形態の「方向性」に注意を向けた探索行動を導く教具、例えば知覚と手の運動記憶との間にギャップを生み出すような作図教具の有効性が確認された。また対物意識の形成に関しては、触覚情報を音情報と物の名称や物に対する行為を表現する言語で補うような条件を備えた教材の有効性が示唆された。
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