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大航海時代のスペイン語文書に見られる他者認識方法に関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 04610231
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 西洋史
研究機関大阪外国語大学

研究代表者

染田 秀藤  大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70067974)

研究期間 (年度) 1992 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードインディオ / 新大陸 / キリスト教 / クロニカ / 他者認識 / 異文化理解
研究概要

16世紀、スペイン王室が「新大陸」の先住民(インディオ)の保護を目的に制定した法令は数多く、中でも1543年に公布されたいわゆる「インディアス新法」は植民法制史上、最も人道的な法令と言われているが、1530年代後半以降、ハプスブルグ朝スペインが置かれたヨーロッパにおける政治的かつ経済的地位を考慮すれば、それはきわめて一面的な解釈に過ぎないことが明らかになる。とくに、フェリペ二世の統治期には、「新大陸」を本国の財政的基盤とみなす傾向が顕著になったことを考えれば、キリスト教文化を絶対視するヨーロッパ中心主義の台頭の前に、16世紀初頭に勃発した異文化理解や他者認識の在り方をめぐる「インディアス論争」は完全に風化したと見ることができる。しかし、王室はキリスト教(カトリック)絶対主義の立場から、「新大陸」支配の正当な権限は先住民のキリスト教化にあるとする従来の立場を崩さず、徹底的な偶像崇拝撤廃運動などを実施した。当時、スペイン人が記したクロニカ(「新大陸」関係の記録)にも、ほぼ例外なく、同じイデオロギーを見て取ることができる。このような支配者側の論理に対して、被支配者である先住民が示した対応を解明するため、従来西欧的歴史観に即してその史料的価値が否定されてきた土着資料を分析したところ、彼らが独特な歴史意識のもとにスペイン支配ならびに、その根底にあるイデオロギーに鋭い批判を浴びせていることが分かった。もっとも、時間的制約や史料面での制約があって、利用できた土着史料がすべて、旧インカ帝国領(アンデス)に住むインディオたちの書き残したものなので、結論を出すには、「新大陸」のいま一つの大きな文化圏であるメソアメリカのインディオたちの記録を解読、分析する必要があると考えている。

報告書

(2件)
  • 1993 実績報告書
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 染田秀藤: "先住民の記録の分析(I)〜インカ帝国史をめぐって〜" Estudios Hispanicos. 17. 107-120 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 染田秀藤: "アンデスの記録者ワマン・ポマ-インディオが描いた「真実」-" 平凡社, 286 (1992)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 染田 秀藤: "先住民の記録の分析(I)〜「インカ帝国史」をめぐって(] SY.encircled1. [)〜" Estudios Hispanicos. 17. (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 染田 秀藤・友枝 啓泰共著: "アンデスの記録者ワマン・ポマ〜インディオが描いた真実〜" 平凡社, 286 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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