研究課題/領域番号 |
04610248
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 北海道東海大学 |
研究代表者 |
印東 道子 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (40203418)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ミクロネシア / ファイス島 / 土器 / 鉱物分析 / 移住ルート / 交易 |
研究概要 |
カロリン諸島に含まれるファイス島で1991年に行った発掘調査で800片もの土器片が出土した。粘土のない隆起珊瑚島であるファイス島では土器は作れない。これらの土器は周辺の粘土を産する高い島で作られ、ファイスへと持ち込まれたことが予想された。本補助金研究では以下の手順で研究を行った。 1)実体顕微鏡を用いて、土器の胎土の状態や割れ目の状態などから、ヤップの特微的な3系式の土器とその他の土器とに分類した。 2)合計35片の土器片を抽出してヤップの土器の鑑定経験のある地質学者に鉱物鑑定を依頼した。(本助成金にて購入した岩石切断器および研磨機を使用。)これらの土器は、1)で「その他」に分類されたものおよび典型的なヤップの土器をも含んでいる。 3)鑑定結果によると、35片中30片は変成岩起源の鉱物を含み、ヤップ島産の可能性があるが、他の5片は火山岩起源の鉱物を含んでいたため、ヤップ以外で作られた可能性がある。 4)これらの火山岩起源の鉱物を含んだ5片の土器がどこで作られたかは、広くオセアニアの他の土器を研究している地質学者でなくては鑑定が難しい。そこで、その方の専門家であるアリゾナ大学のディッキンソン名誉教授に鑑定を依頼したところ、快諾された。 5)現在その鑑定結果が出るのを待っている状態であるが、その結果はかなり重要なものとなることが予想される。土器以外の遺物の分析結果から、先史ファイス島民がヤップ以外の島と文化接触をもっていたことが明らかになっているため、土器からもファイス島を巡る複雑な先史交流の証拠が明らかにされる可能性が高い。
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