研究課題/領域番号 |
04610253
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 北海道開拓記念館 |
研究代表者 |
山田 悟郎 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (00113473)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 縄文時代中期末 / イヌビエ / 円筒式土器文化園 / ヒエ属 / 目梨泊遺跡 / ソバ属花粉 / ユカンボシ遺跡 / コメ |
研究概要 |
縄文時代:道南の南芽部町臼尻B遺跡、八木遺跡、ハマナス野遺跡など縄文時代中期末の住居址床面等から、野生種のイヌビエの形態が僅かに残るものの、栽培種であるヒエに極めて類似したヒエ属種子が産出し始めている。同様の形態を持ったヒエ属種子は円筒式土器圏内の北端にあたる小樽市フゴッペ貝塚遺跡の中期後半の住居址床面からも産出しており、縄文中期後半から中期末にかけて、渡島半島から石狩低地帯までの範囲に形成された円筒式土器文化圏内でヒエ属の順化が始められていた可能性が強くなってきた。同様な傾向は青森県内でも見られ、縄文中期後半の青森県富の沢(II)遺跡でも焼失した住居址内床面から多量の同様な特徴を持ったヒエ属種子がゴマなどとともに産出しており、北海道のみならず青森県内の一部でもゴマの栽培とともにヒエ属の順化が始まっていたことを示すものとなっている。 オホーツク・擦文文化期:オホーツク文化の代表的な遺跡である宗谷管内目梨泊遺跡では、8世紀中半につくられた墓壙の壙底からソバ属花粉が検出された。同遺跡からは蕨手刀、〓帯金具なども出土したほか8世紀項の土師器なども出土しており、このオホーツク文化の遺跡にソバ栽培をもたらしたのは、8世紀中項に接触を持った東北地方の土師器を持った文化の人々であったことが推定され、オホーツク文化の中に植物栽培技術が到達したのは比較的古い頃であったことが判明した。擦文時代では、8世紀の石狩管内千歳市ユカンボシ遺跡からはアワ、キビなどとともにコメやコメの籾跡が付いた擦文土器などが発堀され、東北地方北部から北海道に渡来した農耕集団の痕跡を残した、擦文時代の古い時期の遺跡ではコメ栽培にも取り組んでいた可能性がでてきた。
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