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教養小説の主人公の社会階級間移動に関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04610289
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 独語・独文学
研究機関東北大学

研究代表者

原 研二  東北大学, 文学部, 助教授 (60114120)

研究分担者 原 英一  東北学院大学, 文学部, 教授 (40106745)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード教養小説 / 徒弟小説 / ドイツ小説 / イギリス小説
研究概要

平成四年度においては、当初の予定通り、基礎資料の収集を行い、同時にテキスト電子化の作業を進めると共に、先行研究の批判的再検討と基本的理論の確立のための研究を進めた。具体的には、イギリス、ドイツの教養小説関係図書(電子化テキストを含む)の収集と、文字読みとり装置によるテキストの電子化(ムージルのテキスト)を進めた。また先行研究の再検討と基本理論の確立については、研究代表者と分担者の密接な連絡のもとに、『教養小説の主人公の社会階級間移動に関する史的研究 論文集』をまとめ成果を公表した。この中で研究代表者は、ドイツにおける教養小説概念の変遷をこの概念の創設者であるモルゲンシュテルンから、この概念の虚構性を主張するヘーリシュの議論に至るまで、批判的に検証し、そのイデオロギー的性格、特に人格概念のイデオロギー性、さらに小説の問題が同時に近代性の問題である点、教養小説概念がそれについて論じるものをも巻き込む一種の循環構造を持つ点などを明らかにし、今日におけるこの概念の問題性の概要を明らかにした。研究分担者は、英文の論文で、イギリスにおいてロマン主義の影響の強い教養小説概念の代りとなるものとしての「徒弟小説」apprentice novelという概念の有効性を検証し、近代イギリス小説の一つの重要な系譜の存在を指摘し、その展開をデフォーからフォースターにいたる具体的な作品において例示しつつ概観した。また研究代表者は、このほか、ドイツ教養小説の典型を創出したゲーテの晩年の散文と、いわゆる人格概念を否定する二十世紀の小説家ムージルの作品の持つ問題の相似性を、ゲーテとムージルの電子化テキストを利用しつつ検証し、ドイツ語の論文にまとめて、両者の親近性を指摘した。いずれも基礎的な研究であるが、従来のいくつかの考え方に修正を提案するものである。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kenji HARA: "Robert Musil and Goethe" ゲーテ年鑑. 35. (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 原 研二: "「教養小説の主人公の社会階級間移動に関する史的研究」論文集1992年度" 原 研二, 48 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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