研究課題/領域番号 |
04610302
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
吉田 豊 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30191620)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ソグド語 / 言語接触 / シルクロード / 中国漢語 / 古代チュルク語 / 中央アジアサンスクリット / マニ教 / トカラ語 / 中古漢語 / 古代トルコ語 |
研究概要 |
(1)未公開の資料の調査と発表:中国新彊ウイグル自治区で最近発見された、ソグド文字で表記されたマニ教パルティア語文献を発表した。同じテキストを含む断片が京都とベルリンに保管されており、それらも同時に発表した。龍谷大学図書館が保管する中世イラン語の資料(総数約600点)を調査し、それらのカタログを作成し同図書館に設置した。その他イギリス及びロシアにあるソグド語資料の調査を行い、それらに関する報告書を作成した。今回この科研費の研究成果報告書(冊子体)として提出する。 (2)中国語との接触:ソグド語文献に導入された中古漢語の要素を網羅的に収集し、それらについての言語学的研究を論文にまとめて発表した。ここにはソグド文字で表記された漢文仏典についての研究も含まれる。この種の資料が研究・発表されるのは世界でもこれが初めてである。 (3)古代チュルク語との接触:10世紀頃中央アジアのチュルク人がソグド語を使っていたことを明らかにし、彼らが書いたと考えられる3通の難解な手紙を解読した。この最近中国で発見された長文の手紙についての研究ほぼ完成したので、著書として公刊する予定である。なおこの手紙を研究する過程で、従来認識されていなかった遅い時代の手紙文をいくつか発見することができた。 (4)インド語との接触:ソグド語文献に導入されたインド語の要素を網羅的に収集し、それらを冊子体にまとめた。今後は導入の時代や経路、さらには導入に際して起こった発音面での変容に関する研究を進めて行く必要がある。 (5)その他:トカラ語から翻訳されたことが判明さている古代チュルク語の仏典と、完全に平行するパッセージを持つソグド語仏典をベルリンの資料のなかに1点発見した。これによって、ソグド語とトカラ語の言語接触という、従来全く知られていなかった問題の存在がクローズアップされてきた。
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