研究課題/領域番号 |
04610303
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
栗林 均 日本大学, 文理学部, 助教授 (30153381)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ゲセル物語 / モンゴル語 / モンゴル文語 / 電子化テキスト / 単語索引 / コンピュータ処理 / 「ゲセル物語」 / 英雄叙事詩 / 蒙古文語 |
研究概要 |
1716年に北京で開版された木版本のモンゴル語「ゲセル物語」(いわゆる北京木版本)について、全文のローマ字転写を電算機に入力し、この電子化テキスト基づいて電算機を利用した言語学的な処理と分析を行った。具体的な成果は次の通りである。 1.北京木版本「ゲセル物語」のモンゴル語全文のローマ字転写をMS-DOSのテキストファイル形式で電子テキスト化した。テキストは、計算機による検索の便宜を図り、原本の行を1行とし、各行に章、頁、行の情報を付した。また、テキスト分析のために、動詞と名詞の語幹と語尾の境界に区切り符号を付した。 2.上記電子化テキストに基づき、テキストの全単語および語尾の索引を作成した。索引は、語形を見出しとして、それが出現すると頁と行、出現回数、および前後30字の文脈を付した。 3.電子化テキスト、および単語・語尾索引を利用して、テキストの正書法と語形の分析を行ない、次のような特徴を認めることができた。 (1)古典式文語の正書法との違いは、口語形の露出による語形のゆれと並んで、1語を2つの部分に分ける独自の分綴と、古典式文語では分かち書きするところを連ねる独自の連綴が多く用いられ、これがテキスト独自の表記を形成している。 (2)名詞の曲用語尾では、口語形の影響により多種類の属格形語尾が用いられ、その用法も古典式文語の規範に合致しないことが確認できる。動詞の活用語尾では、条件形副動詞の語尾が3種類用いられていることが特徴である。 (3)一般に、語尾の表記では、古典式の規範に合わない形が多く現れるが、これは口語における語末音の弱化の傾向が反映しているものと考えられる。
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