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インドにおける社会活動訴訟ー司法の民衆主義による人権概念の再構成ー

研究課題

研究課題/領域番号 04620008
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 公法学
研究機関岩手大学

研究代表者

稲 正樹  岩手大学, 教育学部, 助教授 (00113655)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードインドの司法部 / 社会活動訴訟 / 公益訴訟 / 司法の民衆主義 / 社会改革 / 調査報道 / 法律扶助運動
研究概要

インドにおける社会活動訴訟は,それまでの司法審査対議会主権論の対決状況から脱却した1980年代初頭に成立を見る。転換をもたらした要因としては次の5点を指摘できる。(1)非常事態期に出した人身保護令状事件・被拘禁者事件の最高裁判決にもかかわらず,司法審査権を骨抜きにされた司法部が,別の戦線を選択する必要性に迫られていたこと。(2)革新的判事の最高裁入りにより,裁判官主導型の訴訟指揮が可能となったこと。(3)国産法学の提唱・法律扶助運動の展開が進んでいたこと。(4)判例により,憲法21条の生命・人身の自由が実質的にデュープロセス条項化されていたこと。(5)社会活動グループとプレスの協力関係が成立していたことがそれである。
社会活動訴訟は,当初は主に,刑務所・警察留置場内の問題,警察のあり方,保護施設の状況,労働者の諸問題が争われた。また社会的弱者層に係わる領域として,部族民・女性・指定カースト・路上生活者・スラムの住民・街頭商人・農民・年金生活者・児童福祉に関するものがある。最近では,環境問題・消費者の権利,統治機構のあり方を問題にした裁判所の改革・政治家の法的責任追求の手段としての活用などが論議されている。
社会活動訴訟の特質としては次の4点を指摘できる。(1)原告適格の緩和化により,公益スタンディングが成立していること。(2)対審的手続きの否定と非対審的手続きの採用が見られること。(3)当事者の協同的・共働的努力の必要性が強調されていること。(4)国家政策の指導原則と基本権観念を総合させた,「基本的人権概念」が成立・発展していること。
インドにおける社会活動訴訟は,「公衆と支配的集団の権力の病理」に対して人々の注意を喚起してきたという評価が一般に妥当する。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 稲 正樹: "インドにおける社会活動訴訟の動向と将来" 岩手大学教育学部研究年報. 52. 24-37 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 稲 正樹: "インドにおける社会活動訴訟ー司法の民衆主義による人権概念の再構成ー" 南アジア研究. 第5号. (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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