研究概要 |
平成2年度から4年度まで3年間にわたって上記の研究課題について研究を続けた。 犯罪人引渡しは歴史的にも重要な役割をもっているにもかかわらず,わが国では,これまで本格的な研究はなされていない。私は,この立ち遅れを埋めるべく努力したが,資料不足のため十分な成果を挙げることができなかった。今後,5年間これに没頭して研究しなければ,欧米先進諸国の水準を抜くことはできないであろう。 3年間にわたる私の研究成果の一滞は,『犯罪人引渡法の理論』と題する書物(成文堂から刊行予定)に盛り込まれている。この書は,犯罪人引渡法の基本理論を外国の文献,条約,立法例を参照して丹念な分析を試み,新しい動向を示したものであって,わが国には類書のないものである。 この書の刊行については,昨年秋,文部省に科研研究成果刊行補助金を交付してもらうべく申請手続をした。 世界には,多くの国が存在する。それらの国の法制は,多様である。それを丹念に研究調査し,その成果を公表することは,わが国の学界のみならず,実務界に大いに役立つであろう。私の研究は,今後,それを目ざして進められるであろう。
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