研究課題/領域番号 |
04620031
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 太一郎 東京大学, 法学部, 教授 (10009798)
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研究分担者 |
高橋 直樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (30146948)
塩川 伸明 東京大学, 法学部, 教授 (70126077)
高橋 進 東京大学, 法学部, 教授 (40009840)
馬場 康雄 東京大学, 法学部, 教授 (40013031)
五十嵐 武士 東京大学, 法学部, 教授 (60009818)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 政党システム / 比較政治 / 政治史 / 凍結解除 |
研究概要 |
一般に政党システムは政治体制において、政治的組織化の主体として、国家と社会を結びつける上で極めて重要な役割を担っている.しかしサルトーリやロッカン等の従来の政党制研究の分析枠組は、この点を把握するには全く不十分である.本共同研究は、日米欧各国における政党制の歴史的発展過程を、特にその形成過程を中心に捉え直す作業を通じて、政党システムが国家と社会の結合関係の中において果たしてきた役割を比較史的に分析することを目的に開始された;馬場と飯田は、世紀転換期前後の、現代西ヨーロッパ各国の政党システムの基盤の形成過程の比較分析を試みた.その結果、西欧各国の政党システム間の相違は、この時期に社会主義政党とカトリックなど宗派政党が進めた政治的組織化のあり方と、これに対する寡頭支配体制側の対応によって説明できることが明らかにされた.一方、高橋進と高橋直樹は、こうして確立された西欧各国の政党システムが今日直面している「凍結解除」現象を、イギリスとドイツを中心に、比較検討することを試みた.こうした西欧内部の比較分析に対して、五十嵐は、アメリカの政党システムが政治体制において占める位置の独特さを、「政策革新」の過程の分析によって明らかにし、他方、今日、二大政党が社会との関係で抱え込んだ危機の深さを探った.塩川は、「民主化」後の旧ソ連及び東欧が、現在、国家・統治機構としての政党[=共産党]の解体から、社会に根差した複数政党制が生み出される過渡期にあることを明らかにした.三谷は、日中戦争期の「大政翼賛会」等の新党運動を、政党システムやその社会との媒介機能自体を、国家・統治機構に吸収することを目指す構想として捉えたといえる.以上の各参加者の研究成果[公表論文は裏参照]を踏まえ、日米東西欧の歴史的経験を包括した、政党システムの新たな比較分析枠組を目指して討論が繰り返され、その成果の公表を現在検討中である.
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