研究課題/領域番号 |
04630045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 公雄 慶応大学, 文学部, 教授 (80051499)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 備蓄銭 / 六道銭 / 出土銭貨 / 六道銭(ロクドウセン) / 備蓄銭(ビチクセン) / 銭貨流通 / ロクドウセン / ビチクセン / シュツドセンカ / EIRAKUSEN |
研究概要 |
1993年度研究成果の概要 1.備蓄銭関係 出土備蓄銭については、従来から資料数の少ない九州地方、近畿地方、東海地方、東北地方南部などを重点的に調査し、資料の実査と文献類の収集に努めた。その結果、これらの地方から多くの備蓄銭関係の情報を収集する事ができた。1994年2月末日現在、出土備蓄銭の総数は、全国で225例、1000枚以上の規模を持つ備蓄銭は171例となり、総枚数は288万4千990枚に達した。これにより、出土備蓄銭の地域、時期による詳細な分析の道が開かれた。その第一歩として、中世後期における永楽銭の東西日本における分布差を取り上げた。全国の出土備蓄銭の中で、永楽銭を含む4期以降の備蓄銭の地域別の出現率を調査した結果、16世紀以降になると東日本に集中する傾向が認められた。これは、文献記録にみられる東日本の戦国大名の永楽銭基準銭貨化にともなって、永楽銭の一部が東日本に集まってきたことを示すものと考えられる。この成果については、「永楽銭の東西分布について」と題する研究発表を、1994年5月に神戸大学で行われる社会経済史学会大会において発表する。 2.六道銭関係 出土六道銭については、九州地方、関東地方、近畿地方などを中心に調査を進めた。とくに従来余り分析を行ってこなかった多数(10枚以上)の銭貨を伴う六道銭について集成し、銭種組成の数量的分析を行った。その結果はこれまで行ってきた六枚セットによる分析結果と極めてよく一致した。これらの多数の銭貨を有する六道銭を従来行ってきた銭種毎の組み合わせによるセリエーション分析を行ったところ、完全セットにおいて既に明らかにされているものと全く同一の変化のパターンが確認された。これにより、渡来銭から古寛永通宝への移行に関して、従来明らかにしてきたことがさらに明確なものとして示すことが出来た。この成果は「多数の銭貨を有する六道銭について」と題して「史学」誌上に刊行した。 また、埋葬習俗としての六道銭についても研究を行い、特に念仏銭、題目銭といわれる特殊な銭形製品について全国的に集成した。この成果は「念仏銭・題目銭と六道銭」と題して「史学」誌上に刊行した。
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