研究概要 |
交付申請書の中では以下の問題を研究課題とした. 問題.ある種の(Ka^^‥hlerとは限らない)3,4次元多様体の構造の決定 (1)P^4と位相同型な複素多様体またはMoishezon多様体 (2)2次超曲面Q^4と位相同型な複素多様体またはMoishezon多様体 (3)P^1×P^2,P^1上のP^2-bundleの大域的変形 (4)Kx=-2Lまたは-3LとなるFano多様体に近い3次元Moishezon多様体 このうち(1)については申請書ですでにこれまでの成果についてのべた.92年度中に(2)および(4)についてつぎのような進展があった. (5)定理.Q^4と位相同型なMoishezon多様体Xは直線束LでL^4=2となるものを持つ. もしh^0(X,L)(] SY.gtoreq. [)5ならばX(] SY.simeq. [)Q^4. (6)系.Q^4の大域的可微分変形はQ^4に同型. (7)定理.3系元Moishezon多様体Xが直線束Lでh^0(X,L)(] SY.gtoreq. [)2,Kx=-3L,dimBs|L|(] SY.simeq. [)1(即ち,|L|が固定成分を持たない)となるものを持つならばX(] SY.ltoreq. [)Q^3またはP^1上のP^1bundle P(O_P^1(a)(] SY.sym. [)O_P^1(b)(] SY.sym. [)O_P^1)(a(] SY.gtoreq. [)b(] SY.gtoreq. [)0,a+b≡2mod3)に同型. (5)の証明には一般に可約な特異曲面Sに関する詳しい研究を必要とする.問題となる場合にはSは|L|のふたつの元の完全交又でありSの双対化層ωsはS上の非負因子Eを用いてωs=-2L-Eと表わすことができる.さらにXがQ^4に位相同型であることからSに関してある大域的性質が導かれる. これらを用いてSは結局既約な非特異2次曲面に同型であることが証明される.この事実から(5)は従う.(3)および(4)のKx=-2Lの場合にも進展があった.
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