研究分担者 |
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
越谷 重夫 千葉大学, 理学部, 助教授 (30125926)
吉田 英信 千葉大学, 理学部, 教授 (60009280)
平田 和彦 千葉大学, 理学部, 教授 (80020296)
柳原 二郎 千葉大学, 理学部, 教授 (70009041)
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研究概要 |
上記研究課題について次のような結果を得た.以下Pn(C)は複素射影空間とし,Mをその実超曲面とする.Mの例としてはPn(C)の等長変換群のある部分群の軌道となるようなものが6種類知られている.これらのモデル空間には等質性であるから,第2基本形式の固有値すなわち主曲率が一定というよい制質をもっている.そこで「この性質はモデル空間の特徴か」という問題が自然に考えられる.これを示すには,Mの法ベクトルをPn(C)の複素構造で写したベクトル(基本ベクトルと呼ばれている)が主方向であることがわかれば十分であることが知られている.これを完全に示せるまでには至っていないが,「基本ベクトルがすべの主曲率空間に成分をもつことはない」という部分解を得ることができた.完全解は今後に委ねたい.次に,等質空間の全測地的部分多様体の分類問題を考えた.これは,長野ーchenによる対称空間の全測地的部分多様体の分類定理から自然に派生した問題である.この問題を解くに当っては,まず全測地的という幾何学的構造をLie群の代数学的構造で表現するという問題を解決する必要がある.我々は,等質空間が「すべての測地線は等長変換群の1ー径数部分群の軌道になっている」という幾何学的条件をみたせば,それが可能であることを証明した.しかし,その表現方法と証明法は目下のところ非常に雑複である.そのためにまだ十分な応用を得るに至っていない.今後の課題として取り組んで行きたい.
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