研究概要 |
Double coset enumerationについて,S.A.Lintonの論文にもとづいて研究した。群Gが部分群Kと元の集合Xによって生成され,すべてのx←Xに対して|K:K∩x^<-1>Kx|が小さいときに有効なアルゴリズムであり,coxeter群と類似の生成元と基本関係をもつようないくつかのsporadic単純群などにおいて,Kを4次あるいは5次の対称群として適用する。したがって部分群Kに関する情報はすべて(群表,すべての置換表現,single coset及びdouble cosetと代表元等)既知とし,これをあらかじめ計算した上でonumerationを実行する。しかしアルゴリズムにおいてdouble coset HgKの代表元をとりかえる操作を加えることによって,すべての置換表現は非同値な置換表現で十分であることがわかった。これによって現在5次の対称群が限界であるKに関する情報のメモリー使用量をへらすことができる。しかし,Kに関する情報を別途計算しておくのは,種々の計算実験を試みる上では障害になるので,Kの正規置換表現を導くことなど,その他いくつかのこまかい点が今後の検討課題として残っている。
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