研究分担者 |
谷口 礼偉 三重大学, 教育学部, 助教授 (40157970)
石谷 寛 三重大学, 教育学部, 教授 (80030790)
露峰 茂明 三重大学, 教育学部, 助教授 (70197763)
辻 正司 三重大学, 教育学部, 教授 (20024482)
脇本 實 三重大学, 教育学部, 教授 (00028218)
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研究概要 |
保型函数の数論的研究にとりくんでいるなかで,局所体上の代数群,とくに実リダクティヴ群の表現のホイッタカー・モデルの重要性が認識され,研究の重点はここに置かれることとなった。 実リダクティヴ群Gの既約ユニタリ表現(π,H)が与えられたとき,これに伴ってC^∞ーベクトルの空間H_∞と,Kー有限ベクトルの空間Hkで定まる。Hkは“代数的"にとりあつかうことができる。Hkに対するホイッタカー・モデルはコスタント等によってかなり解明されている。しかし,数論的に重要なH_∞に対するホイッタカー・モデルについては未知の部分が大きい。 我々は実リダクティヴ群G=U(2,1)の離散系列表現(π,H)で,そのゲルファント・キリロフ次元が最大巾零部分群の次元に一致するものを取り上げた。一般論より,(π,H)は(H_∞に対する)ホイッタカー・モデルを持つ。そこで,そのモデルにおけるKー有限ベクトルの明示公式を得ることが目標となる。今年度の研究において,我々は, (1)極小Kータイプに属するベクトルの明示公式(ベッセル関数による表示)を得, (2)極小Kータイプのベクトルから一般のKータイプのベクトルへ移行する際の漸化式を尊き, (3)以上を応用して,ゲルバートとピアテツキ・シャピロが導入した局所ゼータ積分をガンマ関数で具体的に表示できることを示した。
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