研究課題/領域番号 |
04640057
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加須栄 篤 大阪大学, 理学部, 助教授 (40152657)
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研究分担者 |
川中子 正 大阪大学, 理学部, 助手 (20214661)
新田 貴士 大阪大学, 理学部, 助手 (20202244)
坂根 由昌 大阪大学, 理学部, 助教授 (00089872)
磯崎 洋 大阪大学, 理学部, 助教授 (90111913)
小松 玄 大阪大学, 理学部, 助教授 (60108446)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | リーマン多様体 / スペクトル幾何 / リッチ曲率 / コンパクト化 / 熱核 / 調和写像 / 調和関数 / アルバネーゼトーラス |
研究概要 |
1。コンパクトリーマン多様体からなる集合に、その熱核を用いてスペクトル距離を新しく導入し、この距離の基本的性質を調べた。具体的には、リッチ曲率の下限および直径が一様に押さえられているコンパクトリーマン多様体の集合に制限して次のことを示した。 (1)スペクトル距離による位相はグロモフによるハウスドルフ距離より一様に精細である。 (2)スペクトル距離に関してこの集合はコンパクト化できる。 (3)コンパクト化の境界の元は、コンパクト距離空間と、そのうえのラドン測度、さらにこのラドン測度に関する2乗可積分関数からなるヒルベルト空間に作用する強連続半群の密度核関数の3組からなる。 (4)スペクトル距離に関して、リーマン多様体のスペクトル、つまり固有値は連続である。 また、応用としてリーマン多様体上のシュレーヂィンガー作用素のスペクトルの間隙の幾何的評価を与えた。(この結果は 研究代表者と久村との共同の仕事としてまとめ、投稿中である。) 2。上で述べたコンパクト化に関して、まだ明らかにすべきところは多く残されている。例えば、極限空間とそのうえのラドン測度の正則性の問題は重要な課題である。また、どのような応用が期待されるかなど。そのためにまずより強い条件の下で考察した。つまりリッチ曲率の下限の一様性を断面曲率の一様有界性に強めて議論を展開した。この場合には、スペクトル距離収束するリーマン多様体の族のラプラス作用素(熱核の生成作用素)の振る舞いをほぼ完全に把握できる事を示した。その応用として調和写像のエネルギィスペクトルの連続性、アルバネーゼトーラスの収束を示した。さらにノンコンパクトリーマン多様体に応用して、多項式増大度の調和関数に関する問題に応用を見た。(これらの結果は研究代表者によって既にまとめられ、投稿中である。)これらの諸結果が リッチ曲率の下限の一様性というより一般的な条件でどこまで成立するか今後の課題である。
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