研究分担者 |
竹内 勝 大阪大学, 教養部, 教授 (70028116)
伊吹山 知義 大阪大学, 教養部, 教授 (60011722)
満渕 俊樹 大阪大学, 教養部, 教授 (80116102)
西谷 達雄 大阪大学, 教養部, 教授 (80127117)
難波 誠 大阪大学, 教養部, 教授 (60004462)
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研究概要 |
この研究の目的は,ネットに群が作用しているとき,それがネットの構造にどのような影響をおよぼしているかを知ることであった。この方面の今までの最良の結果はN.L.JohnsonのF_q(位数qの有限体)上の4次元ベクトル空間に定められた位数q^2次数q+1のネットがGL(2,q)(] SY.crosprd. [)GL(2,q)を自己同型群として持てば,そのネットはregulusネットになるという定理であった。この研究では私はこれを一般化してF_q上に定義されたGL(2,q)が作用する位数q_2,次数q+1のネットについて考察した。 このようなネットにはregulusネットの他にC.Heringにより実質的に得られていたHeringネットが無限系列として知られていた。条件を弱くすることによりこれ以外のネットが得られることが予想されていた。Johnsonの場合と異なり私はベクトル空間を仮定せずに正則群上にネットが構成されているという弱い形にした。結果を以下にのべる。 GL(2,q)がこのようなネットの上に作用する場合まず示したことは,上記正則群が素体上のベクトル空間になるという事実である。さらにGL(2,q)のモジュラー表現を用いることにより,これがF_q上の4次元ベクトル空間とみなせることを示した。これらのことを基に,GL(2,q)が正則群上に定義された位数q_2,次数q+1のネットに作用すれば,(i)regulus net,(ii)twisted regulus net(iii)Hering net,(iv)位数5の例外的なネットのいずれかになることを示した。従ってN.L.Johnsonの結果が一般化された。興味ある事実として例外的と思われる(iv)を除けば無限系列(i),(ii)及び(iii)はいずれも3次元射影空間の中の2変数の同次多項式が定める曲面から自然に得られるものであるということを示した。群SL(2,q)についても同様の結果が得られるのではないかと思うが,これは今後の課題として残った。
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