研究概要 |
Dedekind和s(h,k)=Σ〓ak^<-1>(hak^<-1>-[hak^<-1>]-1/2)はその注目すべき性質として相互律12s(h,k)+12s(k,h)=-3+h/k+k/h+1/hk((h,k)=1)をみたす。これはApostol,Carlitzによって一般(高次)Dedekind和Sm(h,k),S〓(h,k)の場合にまで拡張されている。ApostolのDedekind和を素数P>2について(h,k)=(p,hk)=1の場合にその相互律を含む形でP進補間したものがRosen-Snyderの結果(1985)である。その後P進Dedekind和の定義の拡張を代表者が行ないDedekind和のP進的性質のいくつかが調べられている。Carlitzによるごく一般的な相互律を(p,hk)=1の場合にP進補間することは困難であるが、当研究によってP1hkの場合に以下のような結果が得られた。Pを任意の素数、h,k,rを正整数,αを0≦α<e=P-1(P=2の場はe=2)なる偶数とする。m+1XIα(mode),m≧rなる整数点mにおいてk^mS〓(h,k)-P^<m-r>K^mS〓(ph,k)なる値をとるP進連続関数S_<p,α>(s;r,h,k)は(h,k)=1,p1hkのとき次の相互律をみたす。(a)p1kのとき。m+1XIα(mode),m≧r+1なる任意の整数mに対して、1/(m+1-r)h^rS_<p,α>(m;r,(h^<-1>)k,k)+1/(r+1)h^<r+1>S_<p,α>(m;r+1,(h^<-1>)k,k)=Σ〓(〓)(-1)^<j+1>1/(j+1)k^<j+1>S_<p,α>(m;j+1,(k^<-1>)h,h)+(1-P^m)(1/(r+1)B_<m+1>+1/(m+1-r)h^<m+1>B_<m+1>)+Σ〓(〓)(-1)^<j+1>1/(j+1)(1-p^<m-j-1>)k^<j+1>h^<m-j>B_<j+1>B_<m-j> (b)P1hのとき。同じ条件をみたす整数mに対して、1/(m+1-r)h^rS_<p,α>(m;r,(h^<-1>)k,k)+1/(r+1)h^<r+1>S_<p,α>(m;r+1,(h^<-1>)k,k)=Σ〓(〓)(-1)^<j+1>1/(j+1)k^<j+1>S_<P,α>(m;j+1,(k^<-1>)h,h)+(1-P^m)1/(r+1)B_<m+1>+(1-1/p)1/(m+1-r)h^<m+1>B_<m+1>+Σ〓(〓)(-1)^<j+1>1/(j+1)(1-p^j)k^<j+1>h^<m-j>B_<j+1>B_<m-j>。ここに(h^<-1>)kはkを法とするhの逆元,B_nはBernoulli数,S_<P,α>(s;o,h,k)はP進L関数を用いた-(s-1)・L_p(-s,w^α)で与える。r=0,1の場合は(a)(b)はより単純な形となり,r=1のとき(a)と,h,kを入れかえた(b)を組み合せるなどよりCarlitzの得た相互律の主要なものをP進補間することができる。各分担者も当補助金により活発な研究活動をし裏面に掲げるような多くの成果をあげた。
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