研究分担者 |
白井 進 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30115175)
武元 英夫 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004408)
萬 伸介 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40019849)
板垣 芳雄 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30006431)
山田 春樹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00092578)
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研究概要 |
本研究の目的は偏微分方程式のCauchy問題の解の局所一意性の解明であり本問題の解決の重要性は申請時強調しておいた. その成立の可否は考察する関数空間と作用素の関係において規定される。即ち,ある関数空間(可微分関数族,GEVREY級関数族その他)に対し,その上の作用素(双曲型,楕円型等)の満たすべき条件を考察するすることが求められていたのである.そして,そのうちでも特に初期面で方程式の型が安定していない作用素に対し局所一意性が成立するかどうかを考察することが当面の目的であった.本研究に対する補助金の成果として,1階方程式系に対し局所一意性定理が成立するための十分条件を得たのでここに報告する. 1階方程式系に対する問題を考察の対象とする.この種の方程式は作用素が安定しているときには多くの研究結果があるが,初期面で不安定な場合の研究は少ない.我々は主部の作用素としての対称部分と非対称部分にある仮定をおくことにより可微分関数族において局所一意性定理が成立することを確かめることができた.証明は従来の変数変換と積分不等式に依るが重み関数を新たに導入することよりなされる. 単独方程式に対しては無限階可微分族について類似の結果がいくつか知られているが,解の微分可能性をどの程度仮定すれば局所一意性が成立するかの問題に部分的解答を与えたものとして興味ある結果と思う.さらにこの方法で単独方程式についてもシャープな結果が出せるものと考えている.又,楕円型作用素に対する一意接続性定理も同様の設定のもとに考察できることが解ることを最後に付け加えておく.
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