研究分担者 |
下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 助手 (00201559)
初瀬 弘平 茨城大学, 理学部, 助教授 (10007552)
松田 隆輝 茨城大学, 理学部, 教授 (10006934)
日合 文雄 茨城大学, 理学部, 教授 (30092571)
田村 英男 茨城大学, 理学部, 教授 (30022734)
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研究概要 |
研究成果のうちの主なものは次の通りである. 田村は,3次元ユークリッド空間上の2乗可積分関数のなす空間におけるシュレーディンガー作用素の散乱についての研究を行った。散乱の長さが,準古典近似においてポテンシャルの台の容量に収束するという M.Kacの結果について,経路積分を用いない別証明を与えた。また特に3体系シュレーディンガー作用素について詳しい研究を行い,3体系Starkハミルトニアンに対して,極限吸収原理および波動作用素の漸近的完全性を証明した。更に,3体系の散乱全断面積について準古典極限における漸近挙動を解析した。 日合は,ヒルベルト空間における作用素環論の視点から行列の研究,特に行列の間に成立する不等式についての研究を行った。まず,ゴールデン・トンプソンの不等式を補完するトレース不等式クラスを導出しそれに関連して,対数関数を含むトレース不等式も証明した。また,正定値行列の巾平均に対する対数型マジョリゼーションを証明し,それを用いてユニタリ不変なノルムに対するゴールデン・トンプソン補完型のノルム不等式を導いた。さらにトレース不等式および行列式の不等式にも対数型マジョリゼーションを応用して成果を得た。 荷見はバーグマン族の境界値としての超関数の空間に作用するテプリッツ作用素の連続性を考察し表象による特徴付けを与えた。これは単位円板上のバーグマン族関数をその境界値の一部から再生するための準備考察である。 松田は,可換環上の半群の半群環の各イデアルが強い意味でn個の元によって生成されるための必要十分条件を求めた。また可換代数で,環が極小拡大環を持つことを条件付で示した佐藤,菅谷,吉田の結果から条件をはずした結果を得た.
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