研究課題/領域番号 |
04640164
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
草野 尚 広島大学, 理学部, 教授 (70033868)
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研究分担者 |
内藤 学 広島大学, 理学部, 助教授 (00106791)
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
大春 愼之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
前田 文之 広島大学, 理学部, 教授 (10033804)
岡本 清郷 広島大学, 理学部, 教授 (60028115)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非線形 / 非線形解析 / 非線形微分方程式 / 非線形振動 / 定性的理論 |
研究概要 |
スペースが少いために、ここでは本研究の成果の中で、特に非線形微分方程式の解析に関連するものに記述を限定する。広島大学理学部数学教室の特長は、微分方程式関連の解析学者を多数擁していることであるが、その実力は本研究においても遺憾なく発揮され、非線形微分方程式の解析、特に定性的理論の研究において、特筆すベき大きな成果が得られた。常微分方程式について言えば、2階の半線形及び準線形の方程式の解の振動理論の進展に貢献する結果が数多く得られた。内藤学等はEmden-Fowler型の半線形方程式を考察し、それが非振動である場合に、予め指定された個数の零点を持つ解を構成することに成功し、解全体の構造を解明する重要な手がかりを得た。研究代表者等は、線形方程式の自然な拡張になっている準線形方程式と、Emden-Fowler型の拡張になっている準線形方程式の2種類の2階準線形微分方程式を考察の対象として(1)初期値問題の解の大域的存在と一意性(2)非振動解の漸近拳動と零点分布(3)すべての解が振動である状況の特徴付け(4)すべての解が非振動である状況の特徴付け(5)振動解と非振動解の共存の可能性の検討等の基本的諸問題を考究し、数々の興味深い結果を導き出すことに成功した。従来から、非線形問題を論じる場合、研究の重点は、線形の世界とは本質的に異なる非線形に特有の性質或いは現象の解析に置かれて来たが、非線形性の度合いによっては、線形の世界と酷似した非線形の世界が現出することがあるという注目すべき事実が、上記の研究の結果明らかになった。非線形常微分方程式に関する上述の結果はすべて、2階の半線形及び準線形楕円型偏微分方程式に応用され、特に非有界領域における球対称解の定性的性質に関する極めて有益な情報を提供することが示される。このような有意義な本研究を可能ならしめた科学研究補助金の支給に対し心からの謝意を表して報告を終える。
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