研究概要 |
1.線形問題 (1)実解析的方法との関連について,2階偏微分作用素の平方問題の研究を進めた. (2)特異ポテンシャルをもつ2階楕円形偏微分方程式の一意接続定理について新しい結果を得,関連して熱方程式の解の時間後退評価について新知見を得た.一部公表ずみ. (3)共鳴レヴェルの作用素論的方法による研究については,スペクトル凝集に関するA.Orthの理論の一般化と適用範囲の拡大に関する研究を行った。具体的成果は,研究代表者指導の博士論文として結実した. (4)9月からは,月1回のスペクトル理論セミナーを開始し,当研究機関外からも多数の参加を得ている. 2.非線形問題 非線形楕円型境界値問題の不安定解の数値計算に関してNehariの変分原理に基づいて不安定解を数値的に捕促する方法について,理論的,実際的研究が成果をあげた.成果は近刊予定. 3.数値解析関係については,シュレーディンガー方程式の数値計算で有用な種々のTrotter型積公式の導出と誤差評価について,理論面に重点をおいて研究を行った。その成果の一部は公表.また時間を含むシュレーディンガー方程式の陽的解法の一般論についての研究を開始し,Taylor近似の安定性についての新知見を得た. 4.逆問題については,Po^^-schel-Trubowitzの方法による摂動された1次元調和振動子の問題の研究を開始し,進展中である.成果発表までは今一歩であるが,究明すベき問題点を紋り込むことが出来た. 5.そのほか,関連する研究として,曲線の自交点数の双有理分類理論による研究,5次元レンズ空間の分類に関する研究も進めた。
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