研究分担者 |
奥村 善央 金沢大学, 工学部, 助手 (90214080)
榎本 文彦 金沢大学, 工学部, 助手 (80135045)
井上 克己 金沢大学, 医療技術短大部, 助教授 (00176421)
佐藤 卓治 金沢大学, 工学部, 助教授 (30019781)
新濃 清志 金沢大学, 工学部, 教授 (50016052)
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研究概要 |
今年度の研究課題に関して,分離性を保存する新しいペナルティ項を含む一般化された分離的ラグランジュ関数に基づく逐次解法の理論的考察について重点的に取り組んできた。 この新しいペナルティ項は,Boggs-Tolle,Dipillo-Grippoにより独立に導入されたラグランジュ関数の匂配ベクトルの長さの平方を,分離性を保存するように修正したものである。Boggs-Tolle,Dipillo-Grippoは彼等のペナルティ項をラグランジュ関数に加えることにより,ラグランジュ双対性を理論的に補完し,その実用上の有利性を数値実験により確かめたが,同様なことが我々の場合にも期待できる。その結果の一部は谷川により既に知られている(数理解析研究所講究録680(1989),pp9-18).さらに以下の結果が新たに得られた。 1.ペナルティ項のパラメータに関する極めて弱い条件の下で,逐次過程の局所収束(1次平均収束)が示された。 2.特別なクラスについて,収束の速さに関する非常に良い評価が理論的に得られ,また数値実験によりそれが確かめられた。 3.2で考察されたクラスに対してニュートン法を修正した逐次過程を用いると,収束がさらに加速でき,実際に数値実験によりそれも確かめられた。 また最近,Feng-MukaiはTanikawa-Mukaiの方法を修正することにより,不等式制約条件を有する問題に対しても適用可能な分離的逐次解法を提案した。我々の方法を彼等の手順に適用することにより,収束の改良が可能と思われるが,現在考察中である。
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