研究課題/領域番号 |
04640222
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安本 雅洋 名古屋大学, 教養部, 助教授 (10144114)
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研究分担者 |
篠田 寿一 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (30022685)
横井 英夫 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (50023560)
松原 洋 名古屋大学, 教養部, 助教授 (30242788)
小澤 正直 名古屋大学, 教養部, 助教授 (40126313)
三宅 克哉 名古屋大学, 教養部, 教授 (20023632)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | モデル理論 / 不定方程式 / 超準解析 / 超準モデル |
研究概要 |
数理論理学、特にモデル理論の代数学への応用の可能性を探るため、基礎論をはじめ整数論、代数幾可等の専門家の協力によって数多くの成果を得た。まず有理数体の超準モデルの有限次代数拡大体に埋め込まれる二変数代数関数体に於て、算術的素元と関数的素元の間に望ましい関係を得るために超準整数の算術的独立性の概念を新たに導入し、これを用いて代数曲面上の有理関数がaffine開集合上で正則になるための算術的条件を与えた。またこれらの結果が算術的独立性の条件なしでどの程度の有効性があるかについてもある程度の成果が得られた。二つの超準整数の商の標準部分が超越数になる時にすべての関数的無限素元がアルキメデス算術的素元から引き起こされるための条件を与え、これを用いて二変数有理関数の値域がいたるところ稠密にならないための条件を見つけ、そのような関数の具体例を数多く得た。次に超準解析による超有限次元空間とその上の行列環の理論を展開し、それを量子光学の懸案に応用した。超準解析における超有限次行列環から、適当な超準核をとることにより、II_1型因子環が構成されることを示し、その性質を調べた。量子化された電磁場の位相に対応する自己共役作用素の問題は長年の懸案であったが、最近PeggとBernettにより、新しい作用素が提案されたが、有限次元空間でしか定義されないなどの難点を持っていた。ヒルベルト空間の超有限次元拡大の理論を応用して、この難点を解消し位相作用素の問題を最終的な解決に導いた。これらの成果はいずれも、通常の代数的あるいは解析的な手法では証明されていないものであり、超準モデルの手法を使って初めて可能となったものであり、数理論理学の有用性をよく表わしているといえよう。
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