研究課題/領域番号 |
04640224
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 信三 京都大学, 理学部, 教授 (90025297)
|
研究分担者 |
吉田 伸生 京都大学, 理学部, 助手 (40240303)
国府 寛司 京都大学, 理学部, 講師 (50202057)
重川 一郎 京都大学, 理学部, 助教授 (00127234)
西田 孝明 京都大学, 理学部, 教授 (70026110)
池部 晃生 京都大学, 理学部, 教授 (00025280)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | Wiener空間 / Wiener汎関数 / Mallianin解析 / Quasi-sure analtsis / Wiener超汎関数 / Donsberのデルタ関数 / 大偏差原理 / Sobolev空間 |
研究概要 |
確率解析をWiener空間上の解析学、特にMalliavin解析の方法を用いて研究した。Malliavin解析においては、Wiener汎関数のなすSobolev空間が導入され、その枠組でWiener空間上におけるSchwartg超関数の類似物であるW´iener超汎関数も定義される。このWiener超汎関数には、Donskerのデルタ関数をその代表とする正の超汎関数があり、これにはWiener空間上のエネルギー有限の測度が対応している。さらにこの概念に対応してWiener空間上に(r,P)-容量(capacity)の概念が定義され、Wiener空間上、Wiener測度に関し“ほとんどいたるところ"なりたつ諸性質を“quosi every where"でなりたつ性質に精密化できる。こうした方法は、Malliavin解析に関連して“quasi-sure analysis"と呼ばれ、確率解析において最近大きな注目をあつめている。 このquasi-sure analysisにおける一つの研究成果として、(r,p)-容量に関する大偏差の原理が、Wiener測度に関するSchilderの定理と同じ形で成り立つことが示された。これを用いると、例えば、Strassen型の重複対数の法則を、almost everywhereの概念をquasi-sureの意味に精密した形で示すことが出来る。 Donskerのデルタ関数が、どういう可積分および可微分指数のSobolev-空間に属するかについて、補間理論を用いて詳細に研究した。このことの応用として、Wiener空間上のある種の條件つき平均についてそのregnlarityがHolder連続性の言葉を用いて論ずることが出来た。 さらにWiener空間におけるSobolev空間の概念を、より一般の可分な距離空間上で対称Markov半群が与えられた場合に一般化することが出来、またWiener空間上に限っても基礎になるOrnstein-Uhlenbeck作用素を一般化することによって一般化出来た。これらの一般化Sobolev空間は量子物理学に有効な応用をもつものと期待される。
|