研究課題/領域番号 |
04640234
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河津 清 山口大学, 教育学部, 教授 (70037258)
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研究分担者 |
渡辺 正 山口大学, 教育学部, 教授 (10107724)
服部 泰直 山口大学, 教育学部, 助教授 (20144553)
栗山 憲 山口大学, 教養部, 教授 (10116717)
三好 哲彦 山口大学, 工学部, 教授 (60040101)
岡田 真理 山口大学, 工学部, 講師 (40201389)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 確率過程 / 拡数過程 / ランダム媒質 / ブラウン運動 / 確率微分方程式 / 極限分布 / 定常分布 / ランダム・ウォーク |
研究概要 |
Random Walkの研究については本年度は大きな研究上の前進が成された。まず、回帰的一次元Random Walk及び一次元拡散過程について、ランダムな環境の下での極限定理はほぼ最終的な結論を得ることが出来た。Sinai‐Golosov等によって得られていた結果についての一般的定理を公表することが出来た。 今まで、未開発であったランダム環境の下でのドリフトを持った拡散過程の極限定理に関しては二つの大きな結果が得られた。 負の定数ドリフトを持つブラウン運動の環境の下でのWiener過程については、ドリフト定数Kによって、その過程の最大到達の未尾確率が性格付けられることを証明出来た。これは、ブラウン運動の汎関数の期待値の極限定理として捉えても興味のある結果にもなっている。 他方、正の定数ドリフトを持つブラウン運動の環境の下での拡散過程については、離散的なKesten‐Kozlov‐Spotzerの結果から当然予想されていた結論ではあるが、その難しさから、仲々証明出来ていなかった。今年度は、0<K<1,K=1,1<K≦2,K>2によって、その極限状況がまるで違うことが証明された。特に、0<K<1の場合は大変困難だと考えられていたが、一般拡散過程のKreinの理論(笠原氏の結果)を取り入れる状況になっていて、与えられた環境の中での拡散過程及びその第一到達時間の極限定理を証明することが出来た。K≧1の場合には、伊藤の確率微分方程式論を用いることによって、与えられた環境の中での拡散過程に関する大数の法則を示すことが出来た。K=1とK>1ではそのオーダーが違って来ることが分る。又、K>2の場合は、定常な拡散過程の汎関数(積分)に関する中心極限定理に沿って、現在のランダムな環境の中での拡散過程に関する中心極限定理が得られると予想される。来年度の大きなテーマとして研究を続けていく。
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