研究概要 |
1.等角写像の数値解析的研究 (1)代用電荷法(Laplace方程式の基本解の重ね合せ法)に基づいて,与えらえた問題領域(Jordan曲線の内部,その外部,または,有界な2重連結領域)から標準領域(単位円の内部,その外部,または,円環領域)への3種の等角写像の統一的な数値計算法を提案した.また,このような等角写像の数値計算法として著名な第1種Fredholm型の積分方程式法との比較数値実験を行った.その結果,凹型の角点の存在しない領域の場合には,この簡単な方法は改良された積分方程式法と同等またはそれ以上の計算精度を与えることがわかった. (2)また,この統一的な代用電荷法を従来の個別的な代用電荷法と理論と数値実験の両面から比較した.その結果,前者が,(a)数学的表現の整合性,(b)計算手順の統一性,(c)数値写像の精度,の点で後者より優れていることがわかった.この比較は,Symm(1966,1967,1969)とHough & Papmichael(1983)の積分方程式法の間でも成立すると考えることができる. 2.偏微分方程式の数値解析的研究 (1)偏微分方程式に関しても,研究発表欄後半の3件のような理論的な研究成果が得られている.数値解析的な研究も進行中である. (2)しかし,空間格子の生成等,偏微分方程式とその数値解析への等角写像の応用は今後の研究課題として残されている.
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