研究概要 |
数式処理システムmathematicaを利用して,簡単な微分積分の問題をとかせる,電子メールでレポートを出させるなどの実験をおこなった.この際,電子メール,エディタの使い方など最小限のコンピュータの使い方を習得していないと支障が出る.今回はこの程度の教育は受けていることを前提にしたが,実際にやらせてみると必ずしもうまく使えない学生が出てきた.これらの学生に対応することを考えると,メニュー方式の専用システムを考える必要があるが,今回はそれを作るまではできなかった. コンピュータを使っている学生の状態を知ることも研究の対象にしたが,mathematicaのような市販のソフトウェアにモニタープログラムを追加するのは困難であった.そこで今回は数式処理システムとは別に学生が編集作業をしているようすをモニターするシステムを試作して行動を調べてみた.今回はプログラムを作っている様子をモニターしたが,学生が分からずに考え込んでいる,問題が簡単で大半の学生がすぐに終ってしまっているといった状況が,リアルタイムで把握でき、問題の難易度,理解度の情報がえられることが分かった.このような情報を得るにはネットワークの機能が不可欠である. グラフィック機能のある数式処理システムは便利ではあるが,学習者向けとは言えない.これらの機能を中心にして,エディタ,電子メールなどをとりこんだ環境が必要と思われるが,どのような形で提供すべきかは,現時点では確定していない.また,学習者の状況を調べるにはモニターする機能が必要になるが,これは市販のソフトウェアでは困難である.ソースプログラムが公開されている,数式処理システムを利用して,学生の行動をモニターし,解析することを検討中である.これらの解析結果をもとに,総合的なシステムの設計を考える予定である.
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