研究分担者 |
三町 祐子 名城大学, 理工学部, 講師 (00218629)
加藤 芳文 名城大学, 理工学部, 助教授 (40109278)
硲野 敏博 名城大学, 理工学部, 教授 (80076645)
松澤 忠人 名城大学, 理工学部, 教授 (20022618)
飛田 武幸 名城大学, 理工学部, 教授 (90022508)
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研究概要 |
研究の目的は,リーマン面上の有界正則関数環の一般化コロナ問題について調べることである.特に複素平面の単位円板上の非有界有限葉被覆面(有限葉円板と呼ぶ)は有限リーマン面のみならず種数無限のリーマン面を含んでいる重要なクラスにおける一般化コロナ定理の指数について調べることである.この研究を進める過程で,後述する可算個コロナ問題についての結果を得た.複素平面の単位円板において,コロナ定理が成り立つことをCarleson(1962)が証明してから,コロナ問題について多くの研究が発表されている.特にWolffが定理の別証を与えてからは有界正則関数環の研究で一般化コロナ問題と関連した結果が多く発表されている.RosenblumとTolokonnikov(1980)は,異なる方法であるが,ヒルベルト空間に値をもつ関数論を利用して,可算個コロナ定理が単位円板で成り立つことを証明した.得られた結果は次の通りである. 結果:2葉円板において,可算個コロナ定理が成り立つ これを証明するに際して,一般化コロナ問題を研究しているときに得られたある式が重要な役割をした.この結果は,可算個コロナ定理が成り立つ種数無限のリーマン面が存在することを示している. 上記の結果は,研究集会「Hardy空間の研究…函数環と関連して」(1992年11月16日〜18日)において題「2葉円板のGamelin定数」で発表した.この講演については,数理解析研究所講究録として,1993年に出版される.この結果を論文として発表する予定である.
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