研究課題/領域番号 |
04640270
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花輪 知幸 名古屋大学, 理学部, 助手 (50172953)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 磁場 / 回転 / 重力 / 星形成 / 磁気流体力学 |
研究概要 |
重力は宇宙における進化の原動力として、星・銀河・銀河団といった天体の形成を司っている。これに対して磁場や回転はガスの収縮を抑制し、天体を円盤状、棒状、渦巻状に形づくり、構造に階層性を与えていると考えられている。しかし磁場は、回転するガス雲からアルフヴェン波によって角運動量がし、結果として遠心力が弱め、ガス雲の重力収縮を促進させることもある。また回転には磁場を巻き込み、ダイナモ効果によって磁場を強める効果もある。これらの、重力・回転・磁場のダイナミクスを明らかにするため、本研究課題では磁場に貫かれたガス雲の進化を、数値シミュレーションによって調べた。得られた成果は主に以下の2点である。 1.渦状銀河では磁場が強いほど星生成が活発であることを、渦状銀河のガス円盤の分裂・収縮に対する安定性解析によって明らかにした。渦状銀河のガス円盤は銀河回転のために、自己重力にによる分裂・収縮に対しては安定である。しかし、銀河磁場があると、パーカー不安定性やアルフヴェン波による角運動量の輸送を通じて、ガス円盤を分裂・収縮に対して不安定にする。ガス円盤の分裂・収縮は星生成につながるので、磁場の強い銀河ほど星生成が盛んになることが示唆される。 2.細長いフィラメント状ガス雲の分裂・収縮に対する安定性を調べ、磁場や回転によって分裂の間隔や分裂片の形状が変化することを見つけた。磁場や回転のないフィラメント状ガス雲は、分裂フィラメントの直径の4倍程度の間隔で分裂し、分裂片は密度の増加に伴って球状になる。磁場や回転が強い場合は、それよりも短い間隔で分裂し、その分裂片は元のフィラメントに垂直な円盤となる。 これらの成果の一部は既に雑誌に掲載または掲載決定されている。
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