研究課題/領域番号 |
04640291
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 史郎 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50089851)
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研究分担者 |
杉山 晃 名古屋大学, 理学部, 助手 (80187674)
八巻 哲示 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022607)
梶川 良一 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022537)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ドリフトチェンバー / ヘリウム / エタン / カソード読み出し / イオン化損失 / カーボンファイバー / カソードパッド / アルミニウム / エンドプレート / カソード読出し / トラッキングトリガー / 三次元読出し / 飛跡検出器 / 高精度測定 |
研究概要 |
多重セルドリフトチェンバーにカソード読みだしを併用して、チェンバー円筒軸と垂直方向、平行方向共に高精度を目指した。多重散乱の少ないガスとして、ヘリウム/エタンの混合を用い、各種テストチェンバーを制作し、宇宙線及びテストビームによって以下の結果を得た。 1)アノード読みだしによる測定精度は、小さいセルを用い、一気圧のままで目的値100μmより良い結果を達成した。パラメーターを変えた基礎データを収集し、結果はシミュレーションにより再現された。これは測定器の設計に根拠と見通しを与え、運転中のドリフトチェンバーの運転条件の改善にも有用となる。また、磁場の影響は問題なく、ヘリウムベースのガスは、アルゴンと異なるローレンツ角係数をもつことが判った。 2)ヘリウム/エタン=50:50の混合ガスに対して、イオン化損失のデータを入射粒子のβγの関数として得た。相対論的上昇は小さい。測定精度は10層のサンプリングで、相対論的粒子に対して10%であった。 3)カソードイメージ読みだし位置精度:予想される角度依存性が見られた。90度入射で400μm、50度入射で550μmの精度を得た。カソードイメージの拡がりを抑えるために、アノード、カソードギャップの短縮を試み、入射角30度で20%近い改善がみられた。1次イオン対の生成密度の効果を見るため、ヘリウム/エタンの混合比を変化させ、定性的な効果は見られたが、入射角40度以下ではシミュレーションとのずれがある。基本的理解の問題は残ったが、得られた位置分解能自体は実用に耐えるものである。 テストチェンバーによる基礎データの集積と平行し、カーボンファイバーによる円筒の試作、アルミニウムを用いたカソードパッド試作など、実用機チェンバー構造体の素材の試作を行い、実用化のめどがたった。
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