研究課題/領域番号 |
04640296
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 義和 京都大学, 理学部, 助手 (70199397)
|
研究分担者 |
鈴木 宣之 (鈴木 宜之) 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
玉垣 良三 京都大学, 理学部, 教授 (30027338)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | クォーク模型 / ハイペロン核子相互作用 / ストレィンジネス / 共鳴群模型 / P波バリオン |
研究概要 |
この研究の目的は、QCDの特徴を具現した低エネルギー有効模型である構成子クォーク模型を用いて、ストレィンジネス自由度が重要となるハイペロン-核子相互作用を理論的に解明する事である。三年間の最大の成果は、フレィバ-対称性の破れを正確に取扱いつつ完全なFermi-Breit相互作用を導入したクォーク共鳴群模型に最小限の中間子交換効果(スカラー中間子交換による中心力、および、π、K中間子による長距離テンサー力)を補って核力とハイペロン-核子相互作用の統一的取扱いを達成し、現存する低エネルギー実験データとの見事な一致を得た事である。さらに、複雑な中間子交換効果の結果として生じると考えられる中間距離領域の中心力引力の各ハイペロン核子系での特徴や、テンサー力やLS^<(-)>力等の非中心力の重要性と、そのΛN-ΣN結合との密接な関係が明らかになった。特に、この模型は、実験データが今だ存在しない、P-波以上の部分波が重要となる中間エネルギー領域(PLab=400〜600MeV/c)では、Nijmegen模型等の現象論的中間子交換模型との著しい差をもつ。すなわち、Nijmegen模型では近距離領域での湯川関数の特異的な振舞いによりこのエネルギー領域でのΣ^+p散乱断面積に大きな増大が見られるのに対して、この模型ではクォーク模型の特徴である強いLS^<(-)>力によってΛpチャンネルに100mbを越す幅の広いピークが現れる。これらは、二つの模型の特徴に基づく定性的な違いであり、高エネルギー研究所等での実験による検証が待たれるところである。理論的には、この模型における有効中間子交換効果の導入の仕方は一意的ではなく色々なタイプの模型が考えられるので、現在そのそれぞれに対して以上の結果を確かめるべく研究を進めている。
|