研究課題/領域番号 |
04640350
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 教授 (80106608)
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研究分担者 |
青木 勇三 (青木 勇二) 東京都立大学, 理学部, 助手 (20231772)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | f-電子 / 人工多層膜 / 希土類 / Ce / 電子輸送効果 / 帯磁率 / 価数変化 / f電子 / 人工格子 |
研究概要 |
本来の目的である、希土類元素と自然では溶け合わないTa、V等原子半径が大きく異なり“固い"元素とを人工多層膜として、強制的に隣り合せ希土類の物性を探索することは、多くの困難に遭遇して計画に比べ進行が遅れてしまったが、ようやくCe/Ta多層膜の育成に成功し、物性測定できる段階となった。その結果、室温蒸着では、Ce厚100Åでもほぼ非晶質になっていることが見出された。非晶質Ceの物性も興味を持たれてきたが、普通の方法では酸化性のためこれまで物性測定の例はない。帯磁率の測定を行ったところ高温側でほぼgamma相の値に一致しており、降温とともに増加し続ける。降温に伴い、gamma、beta、alpha相変態を起こすバルク結晶とは大きく異なっており、それ自体興味深い。一方、Ce厚さを5Åにすると更に異常であり、室温以下で帯磁率はほぼ温度に依存せず、一見室温からalpha相が安定化しているような振る舞いを示す。これは、我々が正に期待したことであるが、より明白な結論を出すために更にCe厚さ依存性を測定し、他の物性測定を進めている。 平行して、f電子を含まない金属多層膜の電子輸送効果を測定し、巨大磁気抵抗効果(GMR)の関連した熱伝導度の磁場依存性を測定するのに成功した。異常ホール抵抗の磁場に対するピークを見出し、異常ホール係数のGMRに関連した大きな磁場依存によることを示した。更に、実験・解析はグラニュラー合金にも拡張した。一方、希土類化合物の不安定性については、これまで極めて安定な典型例と考えられていたCeGa_2のCeサイトをYで置き換え、格子定数収縮による混成の増大効果、希釈によるRKKY相互作用の減少の影響を調べた。この結果、Ce希薄領域で近藤効果が観測され、CeGa_2は考えらえていたほど安定なのではなく、RKKY相互作用が微妙に近藤効果の出現を抑制していることが分かった。
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