研究課題/領域番号 |
04640374
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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研究分担者 |
足立 智 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 助手 (10221722)
嶽山 正二郎 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 助教授 (20163446)
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 磁性体 / 起短パルス光 / 励起子 / スピン緩和 |
研究概要 |
研究計画に沿い、磁性体の光キャリャー注入効果を調ベるたに先ず半導体GaAs/AlGaAsの量子井戸について光励起スピン配向の測定を行った。光源にパルス幅160fsのチタン・サファイアレーザーを用い、ハンド端の励起子共鳴吸収による吸収の過渡飽和を観測した。重い励起子の励起では従来の報告通り円偏光のセンスに対応した吸収飽和の減少及び増大が見出され、電子スピン±1/2の準位間のスピン緩和時間20psが得られた。一方、軽い励起子を励起した場合にも同様の吸収飽和における円偏光依存性が観測され、スピン緩和時間2ピコ秒が得られた。GaAs/AlGaAsについて軽い励起子のスピン緩和を直接観測したのは我々が最初である(発表予定)。また重い励起子ではスピン緩和時間の励起光強度依存性も新しく見出された。励起子の緩和については従来の報告により励起密度が高いと励起子の電子と正孔間のクーロン力が多数のキャリャーによってスクリーニングされることが指摘されているが、励起子スピンに関してもこれを反映しているかどうかはさらに詳しい実験を要する。 ポンプ・プローブ法による高速スピン緩和の測定法が確立できたので、本装置を用いて目的とする磁性半導体CdMnTeを低温で調ベた。励起子の共鳴エネルギーに同調させ、数ピコ秒の緩和波形が観測され、偏光依存性も見出された。本物質は透過で観測できないので反射による測定を行った。信号の偏光依存性はスピン選択性から期待されるものと一致しないので、現在、試料を薄膜にし透過で測定できるよう準備中である。 磁性絶縁体MrO単結晶についても光励起スピン配向を測定した。室温では常磁性で77Kでは反強磁性であるが、いずれの温度でもピックアップコイルによる磁化の検出方法では信号が得られなかった。室温ではナノ秒以下の速いスピン緩和により、また低温では強い交換力のため磁化の検出が困難になっていると思われるので時間分解能の改善が必要。
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