研究課題/領域番号 |
04640378
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
茂木 巌 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50210084)
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研究分担者 |
中川 康昭 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005944)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | フラクタル / 拡散律速凝集 / 強磁場 / 形態制御 / 金属業 |
研究概要 |
拡散律速凝集(DLA)によってフラクタル的に成長する金属葉のパターン形成が強磁場下でどのように変化するかを調べた。金属葉としては、典型的なDLAパターンを示す銀葉と、異方的なDLAパターンを示す鉛葉について実験を行った。両者とも2枚のガラス板の間で、水溶液からの無電解析出法により、2次元的に成長させた。磁場は東北大金研の強磁場センターにある大口径超伝導マグネットを用いて、8T(テスラ)まで印加した。設備備品として購入したCCDカメラとVTRを用いて磁場中での金属葉の成長の様子を動的に記録することができた。また、同じく設備備品として購入したビデオコピープロセッサーとスチルビデオレコーダーにより各時刻における金属葉の静止画像を記録することができた。これら観測、記録装置が充実したことにより、以下に示すような成果を得ることができた。 1.銀葉の成長はゼロ磁場では無秩序なフラクタルパターンを示すが、磁場中では成長端のゆらぎが小さい緻密なパターンになる。この傾向は強磁場下で成長したものほど顕著であった。 2.銀葉の成長パターンのフラクタル次元を見積もってみたところ、ゼロ磁場では1.62となり、DLAのコンピュータシミュレーションの結果とほぼ一致する結果が得られた。他方、8Tでは1.70から2への次元のクロスオーバーが観測された。 3.鉛葉の成長は、ゼロ磁場では主枝の両側に側枝が対称的に伸びた樹枝状パターンを示すが、磁場中では主枝の片側にだけ側枝が伸びる非対称なパターンが観察された。 これらの成果は、磁場によって樹枝状結晶の形態を制御できることを示したものである。
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