研究課題/領域番号 |
04640407
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
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研究分担者 |
油川 英明 北海道教育大学, 岩見沢校, 教授 (80002096)
小林 大二 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (30001655)
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 融雪 / 流出 / 遅延 / ライシメータ / 氷板 / 誘電率 / TDR / 融雪水 / 積雪内浸透 / 非一様性 / 浸透 |
研究概要 |
融雪期に河川源頭部流域で融雪出水の河川への応答を調べると、積雪内での浸透過程が土壌内での移動過程と同じ程度重要であることが解っている。しかし、融雪水の積雪内浸透において、集中メカニズム、水路の水平方向の割合等明らかにされていない点が多い。 この研究では、先ず、河川源頭部流域で融雪に対する流出の遅れが年毎に異なること、それが土壌内の水の移動よりも積雪内の浸透によることを明らかにした。そして、Multi-compartment Lysimeterを製作・設置して、融雪水の積雪下面流出における集中度を観測した。これらの結果から、浸透モデルを構築し、積雪構造(特に氷板の数)に依存する積雪下面流出を再現した。さらに、このモデルを流域全体に適用し、流域全体の流出を再現し、年毎に違う積雪構造が生じさせる河川流出の遅延の年毎の差違を説明した。 また、融雪量の日変化の形が正規分布曲線に似ていることに注目し、さらに、流量フラックスの伝播速度がその累乗に比例すると仮定して、積雪内の浸透曲線を時間の連続的な関数としてあらわした。これらは積雪断面から取水された浸水量をうまく再現した。 実際に氷板によって浸透水の集中化が起こるかどうかは積雪下面での流出量の観測からでは解らない。そこで積雪断面を切り出して、TDRで誘電率分布の時間変化を測定した。誘電率は積雪内の体積含水率と良い関係にある。この結果から、明らかに氷板の上は誘電率が大きく、氷板の下では小さいことがわかった。また、氷板の上はいつでもどこでも誘電率が大きいことはなく、時刻かつ水平位置によってその大きさが異なることも解った。 この研究では、融雪水の積雪内浸透の一部を明らかにしたに過ぎず、斜面での融雪水の挙動などまだ解明されるべき課題も多い。
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