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溶液中における光解裂によって生じたジェミネート分子間の拡散ダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 04640449
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関大阪大学

研究代表者

岡田 正  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029442)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードミクロ拡散 / ジェミネート分子 / ピコ秒分光
研究概要

アントラセンとジハロベンゼンおよびシアノアントラセンとシクロヘキサジエンとのシクロ付加体は励起状態から光解離しアントラセン励起1重項状態とジハロベンゼンあるいはシクロヘキサジエンの基底状態を生成する。アントラセン励起状態の生成収量は化合物によって異なる。ジフルオロベンゼンの場合、ピコ秒・フェムト秒レーザーによる時間分解吸収スペクトル、時間分解発光スペクトルの測定の結果、光解離速度は数ピコ秒でありシクロ付加体自身の蛍光寿命とアントラセン励起1重項状態の吸収の立ち上がり時間とはほぼ一致した。光解離直後はアントラセンとジフロロベンゼンとがごく近傍に特定の配置で存在していると考えられる。低温マトリックス中でシクロ付加体を励起した場合に観測されるアントラセン蛍光スペクトルは自由なアントラセンのばあいに較べて約10nm長波長側にシフトしている。この蛍光スペクトルの違いは励起状態のアントラセンとジフロロベンゼンとの相互作用のためと考えられる。従って、アントラセンの蛍光スペクトルの時間依存性を調べることにより両分子が徐々に離れてゆく様子を知ることができる。
溶媒の粘度が異なるヘキサン、シクロヘキサンおよびcis-デカリン中の測定を行なった。例えば、室温のcis-デカリン中でヘテロダイマーの光解離によって生じたアントラセンの時間分解蛍光スペクトルの測定から得られた自由なアントラセンの蛍光のraise timeは約30psであった。時間分解蛍光スペクトルを溶媒の粘度や温度を変えて測定した結果を解析することにより、光解離後のミクロな拡散ダイナミックスについての情報を得る手がかりになることが示された。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Miyasaka,H.: "Femtosecond Laser Photolysis Studies on the Cooling Process of Chrysene in the Vibrationally Hot S_1 State in Solution" Chem.Phys.Lett.188. 259-264 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Hirata,Y.: "Direct Observation of Photodissociation of Tetraphenylhydrazine and Its Derivatives in the Solution Phase:Picosecond Study of N-N Bond Rupture in the Fluorescence State" J.Phys.Chem.96. 1517-1520 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Okada,T.: "Photoinduced Intramolecular Charge Transfer of TICT and Related Compounds in Femtosecond-Nanosecond Time Regime" Proc.Indian Acad.Sci.104. 173-183 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Hirata,Y.: "Picosecond Time-Resolved Absorption Spectrum Measurements of the Higher Excited Singlet State of Diphenylacetylene in the Solution Phase" J.Phys.Chem.96. 6559-6563 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Murakami,H.: "Transient Hole-Burning and Time-Resolved Fluorescence Spectra of Dye Molecule in Solution:Evidence for Ground-State Relaxation and Hole-Filling Effect" J.Chem.Phys.97. 7881-7888 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Osuka,A.: "Geometry-and Solvent-Polarity-Dependent Photoinduced Elctron Transfer in Conformationally Restricted Magnesium-Free-Base Hybrid Diporphyins" Chem.Phys.Lett.201. 223-228 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] eds.,N.Mataga,T.Okada,and H.Masuhara,: "“Dynamics and Mechanisms of Photoinduced Electron Transfer and Related Phenomena"" North-Holland,Amsterdam,567 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 岡田 正: "日本化学会編第4版実験化学講座11,反応と速度" 丸善, 523 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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