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固・液界面を利用した有機フッ素化合物の新規合成

研究課題

研究課題/領域番号 04640500
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学一般
研究機関大阪大学

研究代表者

市原 潤子  大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (60110772)

研究分担者 伊藤 嘉昭  京都大学, 化学研究所, 助手 (40223200)
山高 博  大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60029907)
研究期間 (年度) 1992 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード固・液界面反応 / 固体複合試薬 / 有機フッ素化反応 / 有機フッ素化合物 / フッ化鉛 / ハロゲン化アルキル / フッ素化反応
研究概要

アセトニトリル溶媒中臭化ベンジルなどのフッ素求核置換反応において、フッ化カリウムをフッ化カルシウム固体に複合させて用いると、大幅な反応性の向上がみられることをすでに見いだしている。今年度はこの複合フッ素化試薬による固液界面反応における活性化因子について調べた結果、以下のことが明らかになった。アルカリ土類金属のフッ化物の中で広い表面積を有するフッ化カルシウムが特に高い反応促進作用を示した。粉末X線解析およびNMRからフッ素塩とフッ化カルシウム両者の間に化学的相互作用は認められなかった。フッ化カルシウム固体による促進効果はフッ素塩にのみ特異的であるのではなく、酢酸カリウムや、シアン化カリウム、チオシアン化カリウムなど他の求核試剤に対しても認められた。従ってフッ化カルシウムの役割はこれら求核試剤を広い固体表面上に効率良く分散させるとともに、イオニックな固体表面を反応場として提供することと結論した。一方、2価のフッ化鉛は元来反応性が低く、気一固の高温条件の場合を除いてこれまで有機化合物のフッ素化に用いられた例はない。ところがフッ化鉛(PbF_2)にNaFを少量複合すると、反応性が大幅に向上し、アセトニトリル溶媒中臭化ベンジルのフッ素化反応を促進することを見いだした。このような促進効果はNaFと同様NaClやNaBrなどナトリウム塩を複合した場合にみられるが、LiFやKFなど他のアルカリ金属塩の複合ではみられないことがわかった。この試薬は臭化クロチルのようなアリル位のフッ素化において興味ある位置選択性を示した。すなわち通常のフッ素置換生成物のほかにアリル転位を伴ったフッ素化物が約1:2の割合で優先して得られた。このような転位はKF/18-crown-6やテトラブチルアンモニウムフルオライドを用いた場合には見られない。NaX-PbF_2複合試薬は有機フッ素置換の進行に伴い、新規無機化合物に変換することがわかり、上述のMF-CaF_2複合試薬とは異なった新しいタイプの複合フッ素化試薬として今後の発展が期待される。

報告書

(3件)
  • 1993 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Ichihara: "Acceleration of the Fluorination of Benzyl Halide by the Combination of Lead Fluoride and Sodium Salt" Chem.Lett.1161-1164 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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