研究概要 |
種々の新しいホスト化合物(1__〜〜6__〜)の開発に成功した。1__〜はゲスト分子を6個取り込む優れたホストであり,分子認識能にも優れている。2__〜は、種々のアルカノールやフェノール類の形状を認識して選択的に包接結晶を作るので各種の異性体の分離を能率良く行なえることが判明した。各種の第4級アンモニウム塩(3__〜,4__〜)がフェノール類を取り込んで結晶性包接錯体を形成することを初めて見出した。3__〜,4__〜も高い分子識別能を有しており各種のフェノール誘導体の分離に威力を発揮する。最も興味深いことは,光学活性な第4級アンモニウム塩(5__〜)が高い不斉選択性を示し,各種のビス-β-ナフトール誘導体の光学分割に利用できることを発見したことである。更に,3__〜や4__〜のN原子をP原子に置き換えたホスホニウム塩ホスト(6__〜)を設計し,これらのホストが高い包接能や高い分子認識能を有することが判った。今後,更に,スルホニウム塩ホストやセレニウム塩ホストへ展開して行く予定である。
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